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【熊野孝文・米マーケット情報】4月21日に始まる宮城ひとめぼれ先物取引2020年3月31日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

 先週、東京都の小池知事が自粛要請をした翌日、スーパーの食品売り場のコメ売り場にコメが無くなっているという情報がもたらされた。その時、急にあることを思い出して米穀業者の携帯に電話してみた。

【熊野孝文・米マーケット情報】


 ある事とはコメビジネスでしょっちゅう中国に出向いている米穀業者が今年始め「東京オリンピックは開催されなくなるだろう」と予想していたからである。その時はまさかと思っていたが、それが現実のものになってしまった。その人は当時から中国の現状を良く知っており、事態の深刻さを良く分かっていたのだ。その人物に電話した時、驚いたことに自身が都内のスーパーに精米の追加納品のために配達車に乗っていたのだ。社長自ら納品に回らなくてはいけないほど急を要していることが良く分かった。

 新型コロナウイルスの影響は、第2波と言うべき首都圏封鎖という表現でコメの買いだめ騒ぎが再燃した。実情を確かめるべく数件のスーパーに行ってみると確かにコメの売り棚に並べてある精米が少なくなっている。残っているコメをみると今まで見たことのない新品種やあきだわらと言った多収穫品種まで置いてある。日の目を見ることのなかったコメが在庫一掃セール的にスーパーのコメ売り場を飾ったように見えた。そうした銘柄の在庫があるところはまだしも中には玄米はあるが精米袋が不足して納品できないという卸もいた。袋不足はSBSで外国産米を応札しようとしていた業者が輸入相手先国に中国から来る予定のフレコン袋が来なくなり、応札できなくなったところもあるなど、その影響は広範囲にわたり先行きが見えなくなっている。中国から来なくなったのは袋だけではなくドローンもいつ入荷するのか分からなくなっている。

 ◇     ◇

 直近のコメ業界のセミナーでは大阪堂島商品取引所(以下堂島取)が4月21日から取引が始まる「宮城ひとめぼれ」の説明会を仙台市で開催する予定であったが、これも延期された。セミナーが開催されなくなった代わりに、このコラムを借りて「宮城ひとめぼれ」の先物市場がどのようなものか概要をお知らせしたい。

 先物市場での上場商品は、東京コメ、新潟コシ、秋田こまちの3商品が上場されており、宮城ひとめぼれは4番目の商品ということになる。基準品は宮城県内で生産されたひとめぼれで、受渡品は農産物検査法で格付けされた1等か2等に限られる。売買単位は1枚18俵(1080㎏)で受渡しの最低単位も1枚18俵になる。受渡場所は堂島取が指定した宮城県内の倉庫で近日中に決定する。

 スタート時に売買出来る限月は令和2年産が基準品になるため今年10月限からで、それから偶数限月の12月限、2021年の2月限、4月限の4限月で、6限月すべてが揃うのは今年8月になる。実際に取引するのには堂島取の会員取引員に口座を開設し、売買する枚数に合わせて証拠金を積む必要がある。証拠金は売買数量の10分の1程度が必要になる。1枚であれば18俵×1万4000円=25万2000円の10分の1程度だが、先物取引では毎日の値動きにより値洗い(清算)するため、大きな価格変動があれば証拠金不足が起きる可能性があり、多めに積んでおいた方が良い。

 仮に宮城県で1000俵のひとめぼれを生産する農家がいたとする。田植え前だがこの農家が2年産の所得を確定させておきたいと思えば、先物市場の10月限か12月限で売れば良い。

 10月限が1万4000円で発会したら3枚(54俵)売れば75万6000円の所得が確定したことになる。逆に定番商品として宮城ひとめぼれを販売している東京の米穀小売店が先行きの玄米を確保しておきたいと思えば、先物市場で10月限、12月限、2月限を10枚(180俵)ずつ買っておけば、買った価格で2ヵ月ごとに宮城ひとめぼれが入手できることになる。新米が出回るまでに手当てする数量を減らしたいと思えば、納会(10月限の納会日は2020年10月20日)までに買った枚数のうち減らす分だけ売り戻せばよい。

 生産者も同じで、新米時期が近づくにつれ、集荷業者等より有利な価格で買いたいという申し出があれば、先物市場で売っていたものを買い戻して清算して、収穫した現物を集荷業者に販売すれば良い。

 取引に参加せずともコメ先物市場で形成される宮城ひとめぼれの価格は見ておいた方が良い。なぜなら先物市場で形成される価格は最終的に現物価格に収斂されるため、実際に10月限が納会を迎える日は、納会価格と現物価格は同じになるからである。

 
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