農村女性起業 20年目の飛躍-試行錯誤を楽しむ複数の場をつなぐ【JCA週報】2020年10月12日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中代表理事会長、副会長 本田英一日本生協連代表理事会長)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
今回は、JCA研究レポートNo.16とNo17に連載した「農村女性起業 20 年目の飛躍-試行錯誤を楽しむ複数の場をつなぐ」です。
JCA研究レポート No.16-17
農村女性起業 20年目の飛躍-試行錯誤を楽しむ複数の場をつなぐ
弘前大学大学院地域社会研究科准教授 平井太郎
農村での女性起業は後継者難などから 2010 年代以降、減少を続けている。他方、こうした女性の活動が地域社会に与える影響が限られがちなことも問題視されてきた。では、どうしたら農村での女性起業の持続可能性が展望でき、かつ、地域に広くインパクトを与えるものになり得るのか。この問いを掘り下げるべく、ここでは青森県横浜町での実践に注目する。
横浜町では1999年の道の駅開業を機に、産直・加工施設が徐々に整備され、複数の女性加工・販売グループが立ち上がった。それらのほとんどは 20年たった現在も、経営的にも組織的にも持続可能な展望が開けている。それだけでなく、道の駅の拡張が決まった 2016年以降、産直出荷者 ・加工施設利用者を束ねる協議会で、女性たちが主導してビジョニングとそれに基づく試行錯誤が活発化し、女性たちの活動が地域に広くインパクトを与えつつある。
ここでは女性たちとともに2016年から進めているアクション・リサーチを素材として、まず、女性たちの活動が地域に広くインパクトを与えるに至るプロセスを明らかにする。その上で、そのプロセスに欠かせなかった「試行錯誤を楽しむ関係性」こそ、それぞれの女性グループの持続可能性の背後にある共通項であること、しかも、「試行錯誤を楽しむ関係性」の多様さとそれらがつながる大切さを、読者のみなさんと共有したい。
《キーワード》
●農村女性起業
●試行錯誤を楽しむ関係性
●アクションリサーチによる接近
《JCA研究レポート》
旧JC総研時代には「JC総研レポート」を年4回発行しておりました。
JCAでは、JCAに所属する研究員・客員研究員や、当機構が運営する各研究会が実施した、協同組合の理論や法制度、くらし・仕事・地域・農林水産業など、幅広いテーマにわたる調査・研究の成果をウェブ上にて「JCA研究レポート」として発信しております。
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