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政治のすべての道は2021衆院選に通ず【森田実の政治評論】2020年10月25日

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【森田実 / 政治評論家・山東大学名誉教授】

「遠き慮(おもんばか)りなきときは、必ず近き憂いあり」(孔子)

小さな課題先行の菅政権

菅政権は、可能な限り早く小さな成果を仕上げる道に踏み出した。デジタル庁創設、携帯電話値下げ、不妊治療への保険適用、脱印鑑など小さな問題に取り組み、早期に成果を上げてから、衆院選にのぞむという路線を進み始めた。この結果、少なくとも2020年中の解散総選挙の可能性は薄れた。

政界では解散総選挙の時期は、2021年の1月、4月、10月の見方が広がっていたが、1月解散総選挙の可能性は低下しており、10月の任期満了選挙になるとの見方が次第に強まっている。

日本国憲法7条による衆院解散は、憲法の不当な拡大解釈であり、内閣総理大臣個人に衆議院解散権があるとの憲法解釈は間違っている。従って、任期満了選挙が最良である。しかし、政界には衆議院解散権は総理大臣個人にあるといった固定概念が定着しており、いつ解散総選挙が行われるか予測がつかないのが現状である。

2021年中には必ず行われる衆議院議員選挙は、単に菅政権の審判にとどまらず、日本の中長期の路線を決める大変重要な歴史的国政選挙である。対立の構図は、「自・公」対「立・共」となる。

「自・公」すなわち自民党と公明党の協力関係はかなり長期にわたって定着しているが、「立・共」すなわち立憲民主党と共産党との全面的選挙協力は初めてである。「立・共協力」はかなり強力ではないかと思う。

立・共協力体制の形成によって2012年以来の野党不在状況は解消する。立憲民主党は根なし草政党だが、共産党は草の根に根を広げている。格差の拡大によって共産党の力は拡張している。

菅政権に失策があれば、与党は大幅に議席を減らすことは避けられまい。菅政権だけでなく自公連立政権が崩壊するかもしれない。

選挙の争点は経済

コロナ禍がいつまで続くか予想できないが、2021年に「コロナ大恐慌」ともいうべき経済の大破綻は起こる危険性がある。各国政府はコロナ大恐慌に潰されないための経済政策を考え、大胆な財政支出を含む積極策を実行している。

しかし、日本政府は比較的呑気にかまえている。政府の経済状況判断は楽観的で、危機感は薄い。菅政権は、規制改革を当面の政策の中心におこうとしているが、見当違いも甚だしい。

政府がいま全力をあげて取り組むべきは経済対策でなければならない。企業倒産を喰い止め、失業問題を解決しなければならない。格差拡大もとめる必要がある。このために大規模な財政支出を必要としている。しかし、政府の動きはにぶい。

このままでは第一次安倍内閣の2007年参院選大敗北が繰り返されるだろう。2007年の第一次安倍晋三内閣は「戦後レジュームからの脱却」という抽象的な意味のスローガンで参院選に駒を進めたが、「政治は生活である」をメインスローガンにした民主党の小沢一郎戦略に敗れた。

いま菅内閣はデジタル庁創設・携帯電話料金引き下げ・脱印鑑・規制改革で総選挙を戦おうとしているようにみえるが、これでは「生活・雇用」で必死に戦う立憲民主党・共産党連合に勝つのはむずかしい。

2021年総選挙の中心テーマは「生活・経済」である。経済を重視しない政党に勝利はない。

「学術会議」は鬼門

学術会議任命問題は菅政権にとって重い問題になってきている。菅総理、官邸、自民党はこの問題の重要性を認識していない。菅総理は任命拒否を撤回し、改めて6名を任命すべきである。

政府自民党がかたくなで強引な態度をつづければ、国民から見離されるだろう。任命拒否のまま総選挙になれば自民党は敗北するだろう。

なぜか。菅政権の学術会議任命拒否は憲法違反だからである。日本国憲法第23条は「学問の自由は、これを保障する」と規定している。政府が学者を思想や理論が気にくわないといって差別するのは、憲法違反である。安倍前政権は憲法違反をつづけていたが、かくしていたため目立たなかった。しかし菅政権は公然とやった。大失策である。

菅総理が任命拒否問題で説明責任を果たそうとしないのは、自らの憲法違反を認めたくないからだと、学術会議側は見ている。野党もそうだ。この見方が国民の間に広がれば菅政権は存立できなくなる。

しかも政府自民党の態度はあまりにも傲慢で高圧的である。政府自民党の幹部たちは学術会議を行革の対象にすると大声で叫び始めている。学術会議解体まで言う者もいる。たちの悪い脅しである。政府自民党のおごりが露骨にあらわれている。このままでは菅政権は総選挙で滅びるような気がする。


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