人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
SPヘッダー:石原バイオサイエンス・クロスアウトフロアブル
JA全中中央①PC
JA全中中央SP

コロナ対策の非科学と無責任【森島 賢・正義派の農政論】2020年11月24日

一覧へ

コロナの大波がやって来た。すでに、第2波を超える大波になっている。これは、これまでの政府のコロナ対策の失敗である。今後、どれほどの大きな波になるのか。
コロナ対策を担当する西村康稔大臣は、「今後、感染がどうなるかは、神のみぞ知る」と放言した。無自覚で無責任である。さっそく、立憲党の枝野幸男代表が厳しく批判した。
神が知っているのなら、ご神託を聞いてくればいい。だが、それもしない。このばあい、神とは真実を知り尽くしている神だろう。それに最も近い人は、科学者だろう。だから、近くにいる科学者に聞けばいい。
だが、政府の近くにいる科学者は、今後、感染がどうなるか、が全く分かっていない。それどころか、現在、感染がどうなっているのか、さえ分かっていない。いったい、市中に何人ほどの感染者がいるのかさえ、分かっていないし、分かろうともしない。
このように、政府のコロナ対策は五里霧中のなかにある。そうして、国民に行動の自粛を要求している。夜中にはマイナス10度にもなる北海道の人たちに対して、30分ごとに窓を開けろという。マスクをしながら、曲芸のように食事をせよともいう。
それが出来なければ、今後も感染が拡大するといって、政府は国民を脅し、感染拡大の責任を国民に押し付けようとしている。周囲の科学者たちは、率先して国民に自粛を強要している。
このように、政府は何もしないで、国民に説教だけしている。だが、政府には、その前に行うべきことがある。

日別新規陽性者数

地域・日別新規陽性者数(クリックで拡大)

上の4つの図は、アメリカの巨大情報会社であるGoogeが、日本の都道府県、東京、北海道、大阪の新規陽性者について、日別の数を示したものである。この図には、11月20日までの実績数と、11月21日から12月18日までの4週間の予測数が示してある。
これは、公表されているデータの他に、人の移動を調査した独自のデータを駆使し、得意のAI(人工知能)を使って分析した結果のようだ。それを、毎日のようにデータを更新して公表している。
予測の内容は、今後、感染が首都圏外へ急速に拡散し、日本の医療崩壊が間近に迫っていることを示している。
これは、医療体制が崩壊するという理由で検査を制限し、また、同じ理由で自宅療養を強いて、市中感染を放置し、国民の行動自粛だけに依存している日本政府のコロナ対策の、無残な失敗を意味している。
ここでは、この研究結果を詳細に論評するつもりはない。

ここで、この研究結果を取上げて注目したいことは、こうした研究成果の公表が、日本の国内で行われていないことである。
この研究結果を論評できる科学者は、日本にはいないだろうし、論評できる研究組織はないだろう。
コロナ禍は国難といわれている。ならば、政府は国費を使って、そうした研究に対する支援を行うべきだが、そうした計画は、どこからも聞こえてこない。それどころか、学術会議問題で、政府の意にそわない科学者を非難し、迫害している。

政府のコロナ対策が科学と遠く離れているのは、科学に対する信頼を持っていないからである。
だから、コロナが今後どうなるか、全く分からないでいる。昨日までのことしか分かっていない。それも断片的にしか分かっていない。明日からのことは全く分かっていない。そうして、「神のみぞ知る」などと、無責任に言っている。
だから、政府は目先の対策しか考えられない。つまり、感染は人から人へ感染するのだから、人と人の間の距離を長くとればいいという。そうすれば、コロナは途中で地べたに落ちてしまうから、感染できなくなるという。つまり、国民に対する行動の自粛である。これが、政府の唯1つの対策である。幼児でも分かる理屈のようだが、知性を訓練されている国民には分からない。
政府はそういいながら、しかし、その一方で、無症状や軽症の感染者を隔離しないで、自宅で療養させている。そして、いまは家庭内感染が感染拡大の最大の原因になっている。このマッチポンプ的な矛盾さえ分かっていない。
これでは、市中感染の拡大は止められない。

どうすればいいか。
感染症対策についての科学の大原則は、感染者の早期発見と隔離、それと早期治療である。政府は、科学者の力を借りて、Googleが行っているように、感染の実態を科学的に解明して、今後を予測し、この大原則を実行するしかない。
しかし、政府は実行しない。ここに、感染拡大の最大の原因がある。国民の行動自粛が、最大の原因ではない。
政府が早急に実行すべきことは、国民に説教をすることではない。検査体制を整備して、市中の感染者を早急に見つけ出し、隔離して、市中の感染者を最小限に減らすことである。
しかし、政府は、検査体制だけでなく隔離体制も、その拡充を怠り、無症状者や軽症者を隔離しないで、自宅療養を強いている。これは、家庭内感染を放置するもので、それが市中感染の拡大の最大の原因になっている。
政府は、このことを自覚し、反省して、いまのコロナ対策を根本から見直すべきである。国民に対して行動の自粛を助言するのは、その後でいい。

(2020.11.24)

(前回  自助だけに頼るコロナ対策

(前々回 言論規制の後にくる破局


(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)

正義派の農政論ー森島.jpg

重要な記事

ヤンマーSP

最新の記事

クミアイ化学右カラムSP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る