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GoTo改めGoTeとなる【小松泰信・地方の眼力】2020年12月16日

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12月7日に警察庁が発表した11月の自殺者数(速報値)は、女性629人、男性1169人、総数1798人。対前年同月比で、女性18.7%増、男性7.6%増、総数10.1%増。すべてにおいて増えている。そして、女性の増加率は今回も男性を大きく上回っている。10月の慄然とした数値と比べるとかなり落ち着いたようだが、安心するにはまだ早い。何せ、書き入れ時の年末年始を「補償なき自粛」で迎えるわけだから。

komatsu_honbun.jpg「バカ化」現象に陥っている政府のリーダー

増加する自殺について、精神科医の和田秀樹氏(国際医療福祉大学大学院教授)は、PRESIDENT Online(12月15日13時、※1)で興味深い見解を展開している。
まず、自殺をめぐる傾向を「コロナ自粛の深刻な副作用」と位置付け、「自粛要請はコロナ感染抑制に一定の効果はあっただろうが、その半面、この政治的判断による副作用死が、その医療行為を必要とする病気(コロナ感染)の死者数の最大4倍という異常事態を招いたことになる。死者数が1000人の病気があったとして、その治療薬の副作用で3000人が死んだとすれば、それがいかにばかばかしく、理不尽なことであることかわかるだろう」とする。
そして、「自粛下でも一日30分は日光に当たりましょう」「気分が落ち込んでいる際には、リモートなどを使って人と会話しましょう」「夜眠れなくなったり、食欲が落ちたりしたら、気軽に精神科医にかかりましょう」といった注意喚起を含む、副作用対策が不十分であったことを指摘する。
さらに、「あることに不安になっているときは、別のことに気が回らなくなる」という人間の認知特性によって生じる、「例えば、あるメリットを強く求めるがために、もっと大きなデメリットを生んでしまう」状況を「バカ化」現象と名付け、政府のリーダーがその状況に陥っているのではないかと見立てている。
最後に、「コロナによる死者を減らそうとして、自殺者が増えてしまっては元も子もない。直面する課題に対して、視野狭窄的かつ近視眼的になることなく、常に一つの事象を多面的に考察し、それを国民にわかりやすく伝える。それこそが政府の責務なのではないだろうか」と、教示する。
換言すれば、総合的俯瞰的視点から考察、判断し、説明責任を果たしなさい、ということ。
それがまったく出来ていないことに国民の多くが気づきつつあることを、直近の各種世論調査が明らかにしている。

世論が動かす

社会調査研究センターと毎日新聞は12月12日に世論調査をおこなった。有効回答者は1065人。注目すべき結果は次の6点に整理される。なお、「新型コロナウイルス」は「コロナ」、「Go Toトラベル」は、「Go To」と略。(太字は小松)
(1)菅内閣について;「支持する」40%、「支持しない」49%
(2)菅政権のコロナ対策について;「評価する」14%、「評価しない」62%
(3)コロナに対する医療・検査体制について;「不安を感じる」69%、「不安を感じない」17%。
(4)緊急事態宣言の再発令について;「発令すべき」57%、「発令の必要ない」28%。
(5) Go To事業について;「継続すべき」19%、「中止すべき」67%
(6)「桜を見る会」に関する安倍前首相の説明について;「納得できる」9%、「納得できない」66%
どの数値も、菅首相はじめ政権にとっては刺激的なはず。慌てふためき「Go Toトラベル」を12月28日から来年1月11日まで全国一斉に停止することが何よりの証左。
それでもどうしても解せないのは、なぜ28日からなのか。ウイルスは、人間の都合には合わせてくれないはずだが。

「Go To トラブル」から「Go Te トラブル」へ

「印象は遅きに失し、中途半端である。これで感染拡大と戦えるのか、不安である」ではじまる産経新聞(12月15日付)の主張も、菅義偉首相が「皆さんが落ち着いた年明けを迎えることができるように、最大限の対策を講じる」と述べたことを受け、「それならなぜ全国停止を28日まで待つのか」と詰め寄る。さらに、仰々しく喧伝された「勝負の3週間」を取り上げ、「『勝負』と銘打つなら、この時点で大きな施策を講じるべきだった」と、二の矢を放つ。そして、「政府の『勝負』の掛け声は、国民に響かなかった」として、負けを認めよと暗に迫る。
「現状の認識をしっかりして、合理的な決断を迅速にしてほしい」とする、新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長の提言を、政府の「認識の欠如、決断の遅滞」を前提としたものとして、さらなる対策強化を求めている。
読売新聞(12月15日付)の社説は、「新型コロナの新規感染者数は、過去最多の水準にある。重症者や死者の増加にも歯止めがかかっていない。政府の新型コロナ感染症対策分科会は再三、事業の停止を政府に求めてきた。こうした状況を考慮しての停止判断だろう。首相は感染防止を優先させるという強い姿勢を示し、国民に安心感を与えることが重要である。それが、中長期的には経済の回復につながるはずだ」と、穏やかに対策の軌道修正を求めている。
政権寄りのこれら全国二紙の主張・社説でも「Go To」に象徴されるコロナ対策については批判的である。他紙の厳しい批判は推して知るべし。

迷惑かけなければ抗議の意味ない

東京新聞のTOKYOWeb(12月15日、9時15分、※2)は、文化庁の登録美術品調査研究協力者会議の座長を務めていた佐藤康宏東大名誉教授が、日本学術会議問題に抗議し座長を辞任していたことを伝えている。
佐藤氏は、任命拒否を知り、文化庁の担当者らに「専門家を専門家として尊重しない政府のために働くつもりはない。今後は政府関係の仕事はすべてお断りする」「会議直前で迷惑をかけるが、多少とも迷惑をかけなければ抗議の意味もない」などと辞意を伝えたそうだ。誤解を恐れずにいえば、この姿勢、カッコいい!
ところが菅首相。学術会議の組織改編という論点そらしに注力している自民党PTの愚策を受け取った際、「任命問題が話題になり、学術会議について国民の皆さんもだんだん分かってきたんじゃないか」と、語っている。
そのセリフ、そのまま熨斗をつけてスカ首相にお返しする。分かってないのはあんただけ!
「地方の眼力」なめんなよ

※1:https://president.jp/articles/-/41449
※2:https://www.tokyo-np.co.jp/article/74395

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

小松泰信氏のコラム【地方の眼力】

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