2月2日「節分」124年ぶり 魔滅の願い「コロナは外」【記者 透視眼】2021年2月1日
今年の「節分」は124年ぶりの2月2日。「節分」は読んで字のごとし、冬から春への季節を分ける。恵方巻の方角は「南南東」だが、全てはコロナ禍で様変わりした。〈魔滅〉の願い込め今年の掛け声は「鬼コロナは外、福は内」となる。(敬称略)

豆を〈魔滅〉と重ねる
コロナ禍で、今年の豆まきは注意が必要だ。まいた豆を食べると新型コロナウイルスが付いている可能性がある。袋ごとにするか、落花生なら安心だろう。幼児が豆を喉に詰まらせる事故も後を絶たない。
なぜ豆なのか。季節の変わり目には悪魔が出てくると言われ、豆が〈魔滅〉の音に似ていることから「鬼は外、福は内」に掛け声の習わしが始まったという。
一大ブームの〈鬼滅の刃〉は〈魔滅〉も連想する。今年は思わず、〈鬼滅の刃〉主人公・炭治郎をはじめ、人食い鬼を退治する〈鬼殺隊〉の活躍を期待してしまう。
コメ消費拡大と恵方巻き
きょう2月1日の新聞チラシは食品スーパーの恵方巻シリーズが目立つ。予約をしてあす2日の「節分」に取りに行く仕組み。一時、恵方巻きブームで売れ残りの大量廃棄、食品ロスが問題となった。そこで原則、受注生産となった。
福を呼ぶ恵方に向かって丸かぶり。四つある恵方の方角のうち、今年は「南南東」コロナ禍で巣ごもり需要を踏まえた販売戦略に知恵を絞る。「手作り恵方巻」の具材提供だ。例えばヨークマートは1セット980円(本体価格)の「恵方巻セット」も用意した。
コンビニ各社は黒毛和牛などを使い家族で楽しめる具材や、少子高齢化を踏まえたミニサイズをそろえる。スマホのアプリを活用した事前予約を強化し食品ロスの削減も目指す。
具材はいろいろだが、コメの消費拡大にもつなげたい。セブンイレブンは「黒毛和牛のビビンバ恵方巻」を目玉にしている。わずか1日の特需だが、少しでも国産米と国産牛肉の需要拡大にも期待したい。
118歳最高齢でも経験せず
「節分」はいつも2月3日。それが当たり前だと思ってきた。2月2日は明治30年以来だ。つまり現存する日本人で経験した者は誰もいない。それほどの昔だ。
調べてみると最高齢は福岡市の田中力子。ちょうど1カ月前の1月2日に118歳の誕生日を迎えた。ギネス世界記録で世界最高齢に認定されている。福祉施設で暮すがコロナ禍で家族にほとんど会えていないが、1日3食欠かさず食べ、体操したり計算問題を解いたりして元気に過ごす。目標は「120歳まで元気に」。
こう考えると、健康長寿に不可欠なポイントが浮かび上がる。やはり元気の源は食だ。まず規則正しい食事。次に頭を働かす。1日テレビの前にかじりついていてはならない。放送の名の通り、送り放しで受け身になる。その点、この方は計算ドリルをこなすと言うから、自分で考える能動的な姿勢を保つ。さらに運動だ。体操をするというから、筋力の衰えを補っているのだろう。
そして実現可能な目標を持つ。「120歳まで元気に」とは素晴らしい。あと2年なので、コロナ感染はもちろん病気にかからなければ達成するかもしれない。最後に好きなことをやる。好物は炭酸飲料とチョコレート。両方とも食べ過ぎは禁物だが、チョコのカカオは新たな機能性も見つかっている。好きなものを食べる幸せが、ストレスなしの長寿になる。
124年前は明治30年
前回の「節分」2月2日は元号だと明治30(1897)年。先の世界最長寿・田中力子は明治36年生まれだ。この年は何があったのか。帝国主義時代の欧米列強に囲まれ日本はどんな時代を過ごしたのか。
同年3月3日に足尾鉱毒の請願運動を起きる。社会運動家・田中正造が率いる日本初の公害問題に火が付く。1895年日清戦争勝利を経て多額の賠償金を元に福岡の八幡製鉄所が動き出す。金本位制を導入し、物価が安定、生糸輸出量は世界一に。資本主義の確立期、近代化国家ニッポンの基礎をつくる。
一方でアメリカ・ハワイ併合条約調印、ドイツの中国・山東半島一部占領など列強の足音は近づく。八幡製鉄所を端緒に重工業も発展していくが、賠償金の大半は軍拡に充て、1904年に勃発する次の戦争・日露戦争に向かう。
感染病でも動き
明治30年は感染病でも動きがあった記念すべき年だ。4月1日に伝染病予防法が公布される。志賀潔が当時最も恐れられた疫病、赤痢の病原菌を発見し研究誌で発表した。
この年を見ると、後の知識人に大きな影響を与える人物が相次いで生まれている。1月5日には哲学者・三木清。獄死するが、彼がいなければ、今の教養主義をつなぐ岩波書店も姿が変わっていたかもしれない。マルクス経済学者の碩学、『資本論』を訳した向坂逸郎、宇野3段階論で日本のマル経レベルを世界水準に引き上げた宇野弘蔵も生まれた。宇野経済学は作家・元外務相分析官の佐藤優にも大きな影響を与えた。
「節分」は分水嶺か
さて明日の「節分」は、何も季節だけを分けるわけではない。124年ぶりの2月2日は前述した「当時」も参考になる。最強の疫病・新型コロナに直面する菅政権。明日の「節分」にはコロナ関連法案で重大局面となる。記者の〈透視眼〉で見れば、「節分」は政治の分かれ目、分水嶺とも重なる。
(K)
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