イングランドの新しい農業支援策の構築に向けた試験事業の実際【JCA週報】2021年2月8日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中代表理事会長、副会長 本田英一日本生協連代表理事会長)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
今回は、EUの農業・農村・環境シリーズ第51回「イングランドの新しい農業支援策の構築に向けた試行事業(テスト&トライ)の実際」です。
研究員レポート:EU の農業・農村・環境シリーズ第51回
イングランドの新しい農業支援策の構築に向けた試行事業(テスト&トライ)の実際
(一社)日本協同組合連携機構 基礎研究部 客員研究員 和泉真理
本シリーズの第 50回「イングランドの新しい農業支援策『ELM事業』の行方」で紹介したように、英国は2020年1月末をもってEUを離脱し、英国のイングランドではEUのもとでの共通農業政策に替わる農業支援策として、「公的資金は公共財へ」という方針を打ち出し、農業助成の対象を農業の発揮する多面的機能のような公共財、とりわけ「環境保全」に集中させようとしている。
2024 年から導入が予定されているELM事業(環境土地管理事業:Environmental Land Management Scheme)は、この「公的資金は公共財へ」という農業支援の柱となる。事業の概要については第50号で紹介したが、実際にどのような事業にするかという検討はEUからの離脱が決まった2018年から始まっており、現在事業の具体化が進められている。
イングランド政府はELM事業の立案の過程でできるだけ多数の関係者、特に農業者の参画を求めている。ELM事業のためのテスト&トライという試行事業が実際にどのように行われているか、ダートムーア地域でのテスト&トライ事業を取り上げて紹介する。多数の農業者が政策の立案に関与するという日本とは異なる政策立案の過程を見ていただきたい。
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