コロナ方程式で見た政府の反国民性と無責任性【森島 賢・正義派の農政論】2021年3月15日
表題にあるコロナ方程式は、筆者の命名である。世間から認知されているものではない。いまのコロナ禍の実態と対策を見るうえで、もっとも単純で分かりやすい式である。
これを取り上げたのは、いまのコロナ対策を分析し、評価し、改善して、コロナ禍を最小限に抑えるための、強靭な方程式だからである。
この方程式を、政治家や、いわゆる専門家は分かろうとしない。彼らに論理的思考や分析能力がないからではない。分かると不都合なのだろう。だから、分かっていても、分からぬフリをする。狡猾というしかない。
だが、それを見過ごすわけにはいかない。国民は、そのために甚大な災禍を受けているからである。つまり、彼らは、国民を犠牲にして、自分の都合だけを考えている。
どんな方程式か。
上の式が、ここでいうコロナ方程式である。やや詳しく説明しよう。
左辺は、新規感染者数である。毎日発表され、臨時速報されるほどに、注目されている。最近は各地で下げ止まっている。だが、これは真の新規感染者数ではない。いまの検査体制で確認した新規感染者数である。これは、検査体制の不備に起因して、過少な人数になっている。
それはさておき、この新規感染者数を減らさねばならない。
◇
この左辺の新規感染者数は、図で示した右辺のように2つに分けられる。
右辺の左側は、市中感染者数で、その大部分は、他の人に感染させることができる人、つまり感染源になり得る人の数である。
右辺の右側の分母は、左側と同じで、感染源になり得る市中感染者の数である。分子は、感染源の人が実際に感染させた人の数である。この割り算の結果は、感染率といっていい。
このように、左側と右側に分けて考えると、いまのコロナ対策の反国民性と、無責任性が明らかになる。
◇
さて、いまのコロナ対策は、三密の回避とかいって、国民に経済活動などの社会活動を制限し、つまり国民の自由を奪って、右辺の右側の感染率を下げるだけの対策である。三密の回避を励行して感染率を半分にすれば、新規感染者数を半分に減らせる、というわけである。
まことに、もっともらしい。だが、右辺の左側の市中感染者数を半分にしても、新規感染者数を半分に減らせることに目をつむっている。
いわゆる識者たちが、口を揃えて声高に三密回避を唱えていることを、全面的に批判しているわけではない。それが、市中感染者数を減らそうとしない偏った主張であることを、厳しく批判したい。まさに犯罪的である。
◇
政府の対策の反国民性とは、政府の対策が、三密回避などといって、国民の自由を奪い、犠牲を強制するだけだ、という意味である。その結果、経済を委縮させている。
政府の対策の無責任性とは、政府が責任を負って行うべき対策、つまり、市中感染者数を減らす対策を採っていない、という意味である。 そうして、感染拡大の責任の全てを、三密回避を怠ったといって、国民に負わせようとしている。
◇
政府は、こうした反国民的で無責任な考えを反省し、対策を抜本的に立て直さねばならない。
そのためには、いまの検査体制をいったん解体し、拡充して、市中で感染源になっている市中感染者を、徹底的に見つけ出して市中から隔離し、その人数を減らす対策を採らねばならない。
また、検査体制の拡充を怠って、隠れた感染者を市中に放置するのではなく、また、感染者を自宅療養などといって、市中に放置するのではなく、感染源にならないように、市中から隔離し、治療する体制を抜本的に拡充し、整備しなければならない。
◇
このようにして、市中感染者数をゼロにすれば、コロナ方程式の右辺の左側がゼロになるから、右辺の全体がゼロになり、したがって、左辺の新規感染者数もゼロになる。つまり、コロナを絶滅できる。
このコロナ方程式は、コロナの絶滅を目指したもので、感染症対策の王道を示したものである。
コロナを絶滅すれば、三密回避などは、不必要になる。通常の経済活動ができるし、社会活動の全てを回復できる。
その日が来たら、日本中で盛大に打ち上げ花火を上げ、みんなで医療関係者に感謝しながら、勝利宣言をしたらどうだろうか。
(2021.03.15)
(前回 赤いワクチンの教訓)
(前々回 栃木県がコロナの本格的な調査を始めた)
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