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日中平和友好関係維持のため具体的措置を急げ【森田実の政治評論】2021年4月23日

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「虎の尾を踏む」(『易経』)

4月16日の日米首脳会談と日米共同声明は事実上、日米両国政府の対中国闘争宣言である。米国政府は、一方で菅義偉総理と共同して中国政府を非難しながら、他方でケリー特使を中国に派遣して地球温暖化対策での協力を話し合っている。米国政府は右手で相手をたたきながら左手で握手している。

ところが日本政府は一本調子である。菅総理はバイデン大統領の対中国共同闘争の提案を丸のみし、中国に対し厳しい姿勢を示すだけで、中国との協調のための努力を行っているようにはみえない。米国政府に比べると幼稚である。

今回の日米首脳会談と日米共同声明に対して中国がとくに怒っているのは、中国にとっての内政問題である台湾、香港、新疆ウイグル自治区問題に公然と干渉してきている点である。とりわけ台湾問題に日米両国が干渉してきたことに強く反発している。

4月19日の読売新聞朝刊は、中国外務省報道官の「日米共同声明に対抗措置を示唆」したことを次のように報道した。

<〔北京=比嘉清太〕外務省報道官は17日深夜、日米首脳会談後に発表された共同声明が台湾問題や香港問題に言及したことについて、「内政干渉の即時停止を要求する」とする談話を発表した。「必要なあらゆる措置を取り、国家主権を断固守る」として対抗措置も示唆した。中国の在米国、在日本の両大使館は既に共同声明に対し、「強烈な不満と断固たる反対」を示す報道官談話を発表しており、本国の外務省として改めて反発を示した形だ>

虎の尾を踏めば次に恐ろしいことが起こる。菅総理の訪米、日米首脳会談と日米共同声明によって、日米関係は安定しているが、しかしこの声明は中国の虎の尾を踏んだとみるべきであろう。これから何か恐ろしいことが起こる恐れ大である。経済を中国に依存している日本にとっては大変厳しいことが起こることを覚悟しておかなければなるまい。経済界は固唾をのんで中国の出方を注視している。

共同声明に「台湾」の二文字を入れたのは失敗

日米共同声明に「台湾」の二文字を入れることを米側からのまされたことは、日米外交の大失策であった。

日米首脳間の文書で「台湾」に触れるのは、日本が1972年に中国との国交を正常化して以後はなかった。日本は1972年以後は台湾は中国の国内問題であることを認め、台湾に触れることは内政干渉になることを自覚していた。

日米首脳間の共同声明に「台湾」が明記されたのは、1969年の当時の佐藤栄作総理とニクソン大統領の首脳会談後の日米共同声明においてであった。

菅総理は日米共同声明と「台湾」を明記したことによって、日中関係を1972年以前にもどそうとしたわけではあるまい。しかし、中国側は、菅総理は1972年の日中共同声明の精神を否定したと判断する見方が出ることは避けられまい。もしも、中国政府内に対日強硬論が強まれば、1972年の日中共同声明と1978年の日中平和友好条約によって形成された安定した日中関係が崩れる恐れなしとしない。

平和的な日中関係が崩壊すれば中国にとっても痛手だが、これだけで中国は崩壊しない。しかし、日本経済が壊滅する恐れ大である。

今回の日米首脳会談と日米共同声明は、菅総理にとっては大きな「賭け」である。中国側が問題にしなければ、菅外交の得点になることだったが、中国側が猛反発して日本経済が大打撃を受ける事態になれば「凶」となる。菅総理は「賭け」をしてはならなかったのだ。

日本がいま為すべきことは、日中間の緊張を緩和するために具体的に行動することだ。急がなければならない。

「平和共存・内政不干渉」が最高の価値

第2次大戦後、中国、インド、インドネシアなどの大国が独立し、国際政治の重要メンバーになった時、平和五原則が提唱された。領土・主権の尊重、不侵略、不干渉、平等互恵、平和共存、である。体制の違いを越えて平和共存すること、他国の内政には干渉しないことがとくに強調された。この精神で日中国交樹立が行われた。国連憲章も日本国憲法も根本精神は同じである。

平和こそが最高の価値である。

2012年秋に当時の民主党野田佳彦内閣が、一方的に尖閣国有化を行ったために、日中関係は緊張し、軍事紛争まで心配される事態となった。2012年末に自公連立政権ができた直後に山口那津男公明党代表団が訪中し、習近平総書記と会談し、「平和」を確認した。これによって平和が維持された。いま、求められているのは、平和のための敏速な行動である。


【コラム:森田実の政治評論の記事一覧はこちら】

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