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【書評】書物百珍:『サピエンス全史-「文明の構造と人類の幸福』上・下2021年4月30日

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ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳
(河出書房新社、2016.9.30)
定価:上巻2090円、下巻2090円

コロナ感染が拡大するなか、今野聰氏はかかりつけの医師から本を勧められる。大著「サピエンス全史」だ。かつて読んだことはあるが、改めて精読することで、今日のコロナ禍との関連でさまざまな想いが浮かんだという。それがこの書物百珍だ。

はじめに

菅政府からコロナ禍感染対策で、第3回目の緊急事態宣言が出される雲行きになってきた。世界のデータは感染者1億4211万4445人、死者303万0322人(4月20日現在、米ジョンズ・ホプキンズ大集計から)。うち死者は米国56万7694人が筆頭。続いてインド18万0530人以下......。なるほどグローバルである。でも、この端数付データはどこまでが真実か。

日本データは4月20日、感染者54万2222人、うち死者9723人。他に空港検疫など2612人と死者2人を含む。以上は本日21日付け毎日新聞報道である。なんとなく、データを書き写しながら、うんざりだ。

1.本書との出合いと概要

この本は話題沸騰した2016年当時、図書館で雑読済。今回は、4月回受診のすずしろ生協診療所で、黒部所長が上下2巻を貸してくれた。復習しつつ読んだ。結果は人間史1万年以上分を堪能した。なにしろタイトルは「サピエンス全史」。しかも「文明の構造と人類の幸福」である。絶望の書ではない。内容は実に現代的である。参考に本文末尾に、目次を書き写す。

要するに、「ホモ(ヒト)属のサピエンス(賢い)」という生き物」(上巻16p)がネアンデルタールと分離する辺りからの物語である。私たちはヒト科に属する。他にはチンパンジーとゴリラとオランウータン。では、なぜ「ホモ・サピエンス」だけが、歴史を書き残し、宇宙の探索をして、無限大の時間を計ることが出来たか。とまあ、壮大な知の旅へ読者を吸引する。「ホモ・サピエンス」は地球上の70億人口である。始原で農耕することを覚えた。牧畜も。その歴史を重ねた。また宗教を発見し、体系化した。以下延々と全史は続く。引用はしない。

2.現在の問題意識

私はこの大著を読みながら、著者のユヴァル・ノア・ハラリの経歴に関心を持った。確かに医学者ではない。哲学者とか思想家か。「1976年生まれのイスラエル人歴史学者」、「現在エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている」と巻末にある。この大学が世界大で、どんな位置か分からない。

だが、合点がいった。驚く程、古代エジプトとか、古代アラブ宗教に詳しい。また、16世紀からの航海時代で、オーストラリア大陸などの原住民族発見に詳しい。またアメリカ大陸発見以降の地球規模の航海歴史にも詳しい。いわばグローバル世界史視点を自著に貫く。

問題は、そこから著者ハラリが現代史をどう見ているかである。敢えて著者は決して西洋史観に主軸を置かない。それだけでもグローバルだ。その上で「人類の幸福」とはなにかを大事にする。だからアダム・スミス以来の資本主義の勃興発展も詳細に論ずる。それなしには資本主義制度は世界大にはならなったから。

更に社会主義のソ連的敗残にも触れる。全て「成長」がキーワードになった現代に視点を定める。「成長」には家畜の極限的繁殖研究なども詳細に触れる。その上で、1945年以来、世界大の侵略戦争は皆無。ここが大事だと。パレスチナ戦争など、部分的とみているようだ。

そこでこの著書から、私は現在の「コロナ禍」パンデミックが交錯した。黒部先生はここが狙いなのだろう。既にコロナ感染対策を書いた文章を何枚か、診療所の待合室に常備展示している。それらも何度も読み、考えてきた。だが、医学方面は私の認識では弱い。

3.コロナ禍の文明論と現在

では、ハラリはこのコロナ禍パンデミックにどう発言しているか。発刊時、コロナ禍パンデミックは無かった。だから、本書にコロナ禍論はない。代わりに歴史的感染症には多く触れる。

そこで、インターネット情報で調べた。ハラリは決して現在のパンデミックに絶望してはいないのだ。必ず克服できるという。確信は揺るがない。

ここで思い出した。昨年夏、毎日新聞はパンデミックに焦点を絞り特集した。まず、イタリア人作家ジョルダーノが登場。「全人類の問題」だと喝破する。そこから続いて、世界の有名知識人の発言をシリーズで特集した。最後は日本人思想家が登場。柳井正までである。柳井はユニクロ社長。カジュアル衣料品業界のリーダー。哲学者ではない。だから、この特集は玉石混交。でも興味津々だった。

それらの記事ももう一度、読み直している。勿論、悲観論が多い。科学的、医学的に分からないことだらけだとする。それが今や新型ウイルス感染に及ぶ。同時に、このまま、「東京オリンピック」は開催できるのかに至る。志位共産党委員長などは堂々、オリンピック中止しろと。

さて、何時になったら、私は居酒屋で飲めるのか。大手町勉強会に行けるか。サークル山脈読書会例会に参加できるか。「野草を食べる会」は来5月には総会を開けるのか。さてまた、相模原市の叔母の墓参は可能かなどなど。

4.毎日新聞の参考記事

(1)毎日新聞(2020.4.13夕刊) イタリア人作家ジョルダーノ:「いま考えること忘れまい 国ではなく全人類の問題」

(2)<毎日新聞の特集―「シリーズ疫病と人間」>
 ・ジャレド・ダイアモンド(生物地理学者)2020.5.15(金)「フィンランドに備え、米国は科学を軽んじた」
 ・マリナ・シルバ(元ブラジル環境相)2020.7.25(土)「自然への介入が先住民を危機に陥れる」
 ・柳井正(ファーストリテイリング会長兼社長):2020.8.8(土)「あまりに悠長だ。政権も野党も国民も」
 ・岩田健太郎(神戸大教授)2020.8.12(水)「変えるの面倒。喉元過ぎれば熱さを忘れる日本人」
 ・上野千鶴子(社会学者)2020.8.15(土)「増幅された格差。<第三の敗戦>になるか」
 ・小熊英二(社会学者・慶応大教授)2020.8.22(土)「教育放置3カ月。下方への格差が広がる」

(3)ワクチン早期開発支えた研究者 カタリン・カリコ(1950年、ハンガリー生まれ、66歳。独バイオ企業ビオンテック社上級副社長:新型コロナウイルスのRNAワクチンの基礎を2005年に論文と関連する特許。ノーベル賞候補とも。

5.本書の目次

上巻
歴史年表 

第1部 認知革命:第1章唯一生き延びた人類種、第2章虚構が協力を可能にした、第3章狩猟採集民の豊かな暮らし、第4章史上最も危険な種

第2部 農業革命:第5章農耕がもたらした繁栄と悲劇、第6章神話による社会の拡大、第7章書記体系の発明、第8章想像上のヒエラルキーと差別

第3部 人類の統一:第9章統一に向かう世界、第10章最強の征服者、貨幣、第11章グローバル化を進める帝国のビジョン

下巻
第12章宗教という超人間的秩序、第13章歴史の必然と謎めいた選択

第4部 科学革命:第14章無知の発見と近代科学成立、第15章科学と帝国の融合、第16章拡大するパイという資本主義のマジック、第17章産業の推進力、第18章国家と市場経済がもたらした世界平和、第19章文明は人間を幸福にしたのか、第20章超ホモ・サピエンスの時代へ

あとがきー神になった動物、謝辞、訳者あとがき 以上

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