「JA」よりも「農協」名が体を表す【原田 康・目明き千人】2021年5月29日
「農業協同組合」を「JA」と呼び表示も「JA〇〇」が定着した。1991(平成3)年の第19回全国農協大会で愛称をJAとすることを決定した。それまでの稲穂に協の字の丸いマークに代わってJAがマークとなった。「JA」はJapan Agricultural Co―operativesの頭文字を取ったものであるが肝心のCo―operativesという表示が抜けた。
本紙4月10日号の「築こう協同社会」の座談会の中で福島大学の小山教授の発言の中に「JAグループは、株式会社との違いをもっと世間にPRすべきですね。今の学生はJAが協同組合であることを知りません。農林中金や単位JAは知っていても、それが協同組合とは思ってはいません。新人職員を含めて、協同組合の原理原則をどのようにしたら理解してもらえるでしょうか」との指摘がある。
農協新聞の読者の皆さんは「JA〇〇」がどこの単協や連合会であるか、JAだけの時は個別の組合を指しているのか農協組織全体を指しているのか分かるが、JAという表示が正確にどの組織を指しているか分かる人は少ないのではないか。
農学部の学生だけではなく農協の職員でも担当の業務が農業の生産、販売に直接かかわる営農部門以外の信用、共済の金融部門や生活部門等を担当している職員の中には「農業協同組合の職員」であるとの自覚がない人もいるのではないかと心配になる。
JAという表示の建物が農村部だけではなく全国の市町村や東京や大阪のような大都市のオフィス街の大きなビルにもあるのでの農業関係以外の、農協という組織を知らない人は「JA」が何をしているところか分からない。
農協の自己改革はメニューをたくさん並べるのではなく、名は体を表すので「JA〇〇」から「〇〇農協」、「〇〇農協連合会」にすることで組合員農家をサポートする協同組合であることを明確にできる。
このような名称の表示を変更することは大会などの組織決定で全国一斉にやるのではなく、各単協や連合会が個別に表示を変えればよいので簡単にできる。内部の文書、行政等への報告書、マスコミなどへの発表の文書にもJAを使わず農協やフルネームの農業協同組合とすることで本来の姿となる。
(原田 康)
重要な記事
最新の記事
-
【スマート農業の風】(7)作付け計画はデータでつくろう2024年8月31日
-
異常気象が農家を直撃【原田 康・目明き千人】2024年8月31日
-
【人事異動】農水省(9月1日付)2024年8月30日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】ついに牛乳も消え始めた?~メンツのために「不足」を認めない愚2024年8月30日
-
(399)ワハーン回廊と玄奘三蔵【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年8月30日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 台風後に注意 静岡県2024年8月30日
-
【注意報】うり科、なす科果菜類にコナジラミ類 府内全域で多発のおそれ 大阪府2024年8月30日
-
JA全農とちぎの24年産米仮渡金(概算金) コシヒカリ、なすひかり4000円上がる2024年8月30日
-
ホクレンの24年産米仮渡金(概算金) 各銘柄4000円前後上がる2024年8月30日
-
有機農業面積 3万ha超に 22年度に3700ha増2024年8月30日
-
「食料システム連携基盤強化室」を新設 25年度農水省2024年8月30日
-
【現場で役立つ農薬の基礎知識2024】秋冬野菜の病害虫防除 気象異変 予防的措置に徹し2024年8月30日
-
備蓄米放出 改めて「慎重に」と否定 坂本農相2024年8月30日
-
長野生まれ紫黒ぶどう「ナガノパープル」のケーキ 期間限定で登場 カフェコムサ2024年8月30日
-
超完熟・紀州南高梅使用「梅クラフトビール」数量限定発売 梅ボーイズ2024年8月30日
-
全国の酪農家をつなぐ乳業メーカー初のウェブサイト「MDAコミュニティ」開設 明治2024年8月30日
-
アシストスーツの体験型の展示施設「アシストスーツミュージアム」岡山市に期間限定オープン2024年8月30日
-
ポケットマルシェ8周年 米の送料OFFキャンペーンなど「ポケマル収穫祭」開催2024年8月30日
-
JR四国ツアー「四国家のお宝」で「だしの伝道師」が郡中だし文化講座を担当 マルトモ2024年8月30日
-
防災対策への意識と実態 一人暮らし若年層に調査 JA共済連2024年8月30日