かき消された五輪中止論【森島 賢・正義派の農政論】2021年6月28日
あれほどマスコミを賑わせた五輪中止論が、6月13日のG7サミットを境にして、急にマスコミから消えた。菅 義偉首相が、国民の生命を賭け、自分の政治生命を賭けて、五輪開催の危険な大バクチに打って出たからである。
多くのマスコミは、その前にひれ伏して、五輪中止論を取り上げなくなった。一部のマスコミは、五輪開催は国策としてすでに決まったもの、と国民に曲解させ、無観客で行うかどうか、という点に注目を集めようとしている。そのように、世論を五輪開催に向けて誘導しようとしている。
だから、23日に都庁を包囲しして行われた、五輪中止を求めるデモなど、全国各地の反五輪運動は、黙殺して報道しない。
上の図は、五輪についての世論調査である。
左の図(朝日)をみると、五輪の中止か延期を求める人、つまり、開催に反対の人は62%である。
一方、右の図(NHK)をみると、延期の回答枝を無くしたもので、その結果、開催に反対の回答は、31%と少なくなっている。全く違う調査結果である。
いったい、どちらが真実の世論か。
ここから見えることは、それぞれが、会社の、また、協会の、政府が強行しようとしている五輪に対する基本姿勢である。
これは、世論調査の悪用の典型である。科学の悪用といってもいい。
◇
他の世論調査をみると、その多くは、世論を五輪強行に賛成する方向へ誘導するための世論調査になっている。
ここには、報道の社会的使命である、権力批判の姿勢がない。ひたすら権力に追随しているだけだ。その結果、国民の生命を軽視する姿勢になっている。
◇
いま日本は、コロナ禍という、百年に一度の国難のさ中にある。全国民が心を1つにして、この国難に立ち向かい、コロナ禍を軽減しなければならない。五輪がこれと無関係では有り得ない。
政府の五輪強行を支持するのなら、五輪がコロナ禍を軽減する、という根拠を示さねばならない。せめて、五輪がコロナ禍を激化させない、という根拠を示さねばならない。
だが、それは不可能だろう。五輪は、コロナ禍を激化させる。
◇
五輪は、どのようにしてコロナ禍を激化させるか。感染症対策の王道である、検査、隔離、治療にしたがって考えよう。
五輪で海外から来日する選手や関係者には、充分な検査を行い、コロナの侵入を水際で阻止しなければならない。そのためには、大勢の医師や看護師などが必要だし、器具が必要である。
だが、それらは今でも逼迫している。五輪を強行すれば、ますます逼迫する。つまり、日本には、その余力はない。だから、五輪の強行はコロナ禍を激化する。
また、五輪で来日する、多くの選手や関係者には、大量の宿泊施設が必要になる。一方、国内の感染者を隔離する施設は、全く不足していて、大勢の感染者を隔離できず、自宅で療養してもらっている。その結果、家庭内感染が、新規感染の最大の感染源になって、感染を激化させている。
こうした状況にあるのだから、五輪を中止して、五輪のための宿泊施設を、感染者の隔離施設として利用すべきである。
では、治療はどうか。医師や看護師などは、今でも不足している。それに加えて、いまワクチンの接種も急がれている。こうした状況の中で、五輪のための余力はない。
◇
以上のように、五輪を実施する余力はない。もしも強行すれば、コロナは猖獗を極めるだろう。
それに加えて、デルタ型コロナの猛威が現実のものになりつつある。
こうした状況の中で、選手たちは、充分な力を発揮できるだろうか。選手たちには、察しきれないほどの苦悩があるのだろう。
◇
このような大きな犠牲を払ってまで、五輪を強行しようとするのは誰のためか。
それは、五輪貴族と、彼らが仕える王者のためである。
彼らに君臨する王者は誰か。マスコミは、それを見極めて、その醜悪な姿を、白日の下に余すところなく曝け出さねばならない。
そして、この腐朽した政治体制の中で、なりふり構わずに、五輪を強行しようとしている菅首相は、どこに位置しているか。
(2021.06.28)
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