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キンチョウの夏【小松泰信・地方の眼力】2021年7月28日

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日本農業新聞(7月28日付)の1面の見出しは、内閣支持率最低35% 農政「評価せず」6割。同紙モニター調査の結果である。

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支持せず、評価せずの背景

調査は、農業者を中心とした同紙の農政モニター1077人を対象に、7月上中旬に郵送で実施された。回答者721人、回答者率66.9%。その要点を次の9項目に整理する。

(1)菅内閣の支持については、「支持する」34.7%、「支持しない」64.8%。

(2)菅内閣の農業政策については、「大いに評価する」1.1%、「どちらかといえば評価する」21.2%、「どちらかといえば評価しない」37.9%、「まったく評価しない」23.0%、「分からない」15.4%。大別すれば、「評価する」23.3%、「評価しない」60.9%。

(3)(2)で「評価する」とした人の、主たる理由となる農業政策(上位3政策)については、「農林水産物・食品の輸出拡大」48.1%、「経営安定対策」42.6%、「米政策」27.8%。

(4)(2)で「評価しない」とした人の、主たる理由となる農業政策(上位3政策)については、「新型コロナウイルス対策」50.2%、「米政策」48.9%、「地域政策」30.7%。

(5)新型コロナのまん延防止、終息に向けた政府の取り組みについては、「大いに評価する」2.5%、「どちらかといえば評価する」24.4%、「どちらかといえば評価しない」37.9%、「まったく評価しない」31.3%、「分からない」2.9%。大別すれば、「評価する」26.9%、「評価しない」69.2%。

(6)新型コロナ感染拡大による農業経営などへの経済的打撃に対する政府の対策については、「大いに評価する」1.8%、「どちらかといえば評価する」25.5%、「どちらかといえば評価しない」38.0%、「まったく評価しない」24.5%、「分からない」9.0%。大別すれば、「評価する」27.3%、「評価しない」62.5%。

以上から、菅内閣もその農業政策も過半数の農業者に受け入れられていない。受け入れている農業者は、大規模や企業的経営を行っていることが推察される。また、新型コロナへの取り組みや政策を「評価しない」農業者が6割から7割にも及んでいる。

求む!積極的支持を託せる政党

つぎに、政治や選挙への姿勢を見ることにする。

(7)農政で期待する政党は、「自民党」44.2%、「期待する政党はない」31.2%、「立憲民主党」11.9%、「共産党」6.8%、など。

(8)この秋の衆院選への関心度は、「大いに関心がある」56.0%、「少しは関心がある」35.4%、「関心はない」7.4%、「その他」0.4%。

(9)衆院選比例区で投票する政党は、「自民党」38.6%、「決めていない」31.2%、「立憲民主党」16.9%、「共産党」6.1%、など。

多くの農業者が自民党を支持し、自民党農政に期待している。しかしそれは積極的なものではなく、消極的なものである。

9割が衆院選に関心を持っている。とりわけ6割近くが「大いに関心がある」としている点は極めて興味深い。「期待する政党はない」「(投票する政党を)決めていない」とする人たちの1人でも多くが、積極的に支持したくなる政党が求められている。

危機感を募らせる自民党

農業者に渦巻く不満に、自民党が強い危機感を持っていることを、2人の論客が教えている。

日本農業新聞(7月23日付)で野上忠興氏(政治ジャーナリスト)は、衆院選が自民党に厳しい選挙となるという予測の一つの根拠として、自民党農林族幹部の懸念を紹介している。

その幹部は、「実は農村部、特に米作地帯の北陸、東北、北海道では、秋の新米価格暴落が現実味を帯びてきたことで、菅不信感が拡大している。学校給食がなくなり、飲食店も早じまいを強いられるなどで米需要が落ち込んでもいる。勝負時に支持基盤の160万農村票までも敵に回せば、自民党は思わぬ惨敗を喫するだろう。(20)16年の参院選での『東北の反乱』を上回る広範囲な『農村の反乱』が起き得る。頭が痛い」と、嘆息したそうだ。

また、小林吉弥氏(政治評論家)も、「特に、菅政権での農政が見えてこないことから、不満を抱える150万票(を)超える農村票の行方が注目されている」とする、ある選挙担当記者の予測を紹介している(同紙、7月25日付)。

農業者の叫びを受け止め、新たな展望と政策を提示するなら、政治が大きく変わることがうかがえる、

いたずらに安全安心を吹聴する

農業者の不満も政府の新型コロナウイルスへの対応にあったが、7月27日の新型コロナウイルス感染者は、全国が7629人で1月9日以来の7500人超え。東京都は2848人で過去最多。

28日のNHK「おはよう日本」は、「感染の急拡大に拍車が掛かっています」と、「拍車」という表現で感染爆発を伝えた。

新型コロナ専用病床30床を確保する東京北医療センターでは、27日時点で26床がうまり新たな受け入れは困難。しかし都からは受け入れ要請の電話がひっきりなしに掛かってくる。センターの医師は、「数が増えればある一定の確率で重症化していく。若い人でも重症化するし、中等症の人が入院できなかった場合は、命を落とすことになる」と、事態の深刻さを語っている。

都は26日、今後の入院患者の増加を見据えて、新型コロナウイルス患者用に病床の転用、確保を要請した。

小池知事も、ぶら下がり会見で「じわっと重症が増えているのが気になる」と、抑制的に語っている。

ところが、都福祉保健局長のコメントには驚いた。「第3波の頃より病床確保が進んだ。高齢者の感染が減少したため、重症患者数も約半数になった。第3波の時とは、本質的に異なっているので、医療に与える圧迫は変わっている」ので、「いたずらに不安を煽ることはしていただきたくない」そうだ。こんな局長の指示で動かされる現場は、崩壊の道を進むことになる。

このニュースの中で、東京オリンピックについて「中止の選択肢はないのか」と記者団に問われた菅首相は、「あの~、人流も減ってますし、そこはありません」と答えている。この人は、不都合なものは見ないことにしているようだ。

「いたずらに不安を煽ること」以上に犯罪的なことは、「いたずらに安全安心を吹聴すること」である。

ワクチン打った?

「ワクチン打った?」があいさつがわりとなったこの夏。われわれは、コロナ感染とワクチン副反応に怯え、キンチョウを強いられている。まさにキンチョウの夏、後退国ニッポンの夏。スカッとさわやか、飲む気ねぇ!

「地方の眼力」なめんなよ

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

小松泰信氏のコラム【地方の眼力】

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