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五輪を中止して政治を蘇生せよ【森島 賢・正義派の農政論】2021年8月2日

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非常事態のなかで、東京五輪が強行されている。コロナの新規感染者数が、連日最多記録を更新しているなかで、五輪のお祭り騒ぎが行われている。正気の沙汰ではない。

パラリンピックが終わるのは9月5日だから、それまでに、あと33日ある。その間、カネの亡者たちは、コロナ禍など、どこ吹く風と無視して、五輪の狂乱を続けるのだろうか。

それまでに五輪中止を決めることができれば、日本の政治は蘇生するだろう。菅義偉政権の延命を言っているのではない。日本の政治の瀕死状態からの蘇生を言っている。

政府は、先週末に、より強い非常事態宣言を行った。だがそれは、空しく響くだけで、コロナ禍を沈静させる効果があると思う人は、ほとんどいない。

政府は、医療の逼迫を懼れているようだ。だが、そうではないだろう。懼れるべきは、医療の逼迫ではなく、国民のコロナ禍の深刻化であり、国民の生命が危機に曝されていることである。医療が逼迫するのなら、医療の供給量を増やせばいいのだ。

だが政府は、このことを言わない。何故か。

これを言ってしまうと、五輪のために医療の供給量が減っていることが露見してしまうからである。

その一方で、一部のいわゆる専門家は、「最大の危機は、社会で危機感が共有されてないことだ。」と言っている。これは、若者を槍玉にあげて、若者が危機感を持たずに、政府の外出自粛の要求に従っていないことを非難したものである。思い違いも甚だしい。

危機感を持つべきは政府である。危機の中で五輪というお祭り騒ぎをしている政府である。

若者は、政府が危機感を持たず、五輪を強行していることに強い不信感をもっている。医療を五輪のために使うことで、医療の供給力の全てを尽くして、コロナ禍の軽減のために使っていないことに、強烈な不信感を持っている。

だからといって、若者の外出を称賛しよう、というのではない。

外出するのなら、対コロナの完全防備をし、市中に出て、政府に対して五輪の中止を要求したらどうか。そうして、ワクチンの迅速な接種を要求したらどうか。多くの国民は、熱烈に支持するだろう。

そうすれば、日本の政治は大きく変わるだろう。腐乱した政治は、若者の力で蘇生するだろう。そして、コロナは急速に終息するだろう。

いまのコロナによる歴史的な危機の最大の原因は、若者の沈黙にある。

歴史は、若者が作るものだ。古今東西に例外はない。

(2021.08.02)

(前回  疫学者の作法知らず

(前々回 五輪強行への世論誘導

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