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「ゆ党」の台頭【森島 賢・正義派の農政論】2021年11月1日

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コロナが終息する気配がある中で行われた総選挙の結果は、与党の過半数維持という結果になった。野党共闘の結果も、それなりの成功をおさめた。
注目点は、「ゆ党」の躍進である。「や党」でもなく、「よ党」でもなく、その中間の「ゆ党」の躍進である。「ゆ党」とは、「維新」と「国民」のことである。
与党には投票したくない、野党ももの足りない、という人が「ゆ党」に投票した。その結果、「ゆ党」のそれぞれが議席数を増やした。
これは、何を意味するか。

「ゆ党」

上の図は、「やゆよ党別の当選数である。注目されるのは、野党の当選者のうちの3分の1が、「ゆ党」で当選したことである。つまり、野党が「や党」と「ゆ党」に分裂したことである。

さて、総選挙の争点は何だったか。第一はコロナだった。コロナで多くの国民が犠牲を払ってきた。それが、終息したわけではない。
コロナ禍は、100年に1度といわれる災禍である。それを、どう修復するか。そして、今後に予想されるコロナ禍にどう対処するか。それが、最重要な争点だった。
しかし、各政党は、この最重要な政治課題に対して、どんな政策を公約したか。この点を曖昧にしたままで、選挙戦を戦った。国民は、こうした状況のもとで選挙した。その結果が上の図である。

問題は、コロナ禍が弱者に対してことに過酷だ、という点にある。そして、これまでの弱者と強者の分断を、さらに深刻化した、という点にある。
この分断の深刻化を、どのようにして修復するか。これが、いまの政治の最重要な課題である。

各政党は、コロナ禍による国民の分断を解消するために、強者に何を求めるか。弱者に何を約束するか。それを曖昧にしたままでは、国民は選挙のしようがない。
コロナ禍を修復するまでには、これからも長い年月がかかる。次の国政選挙は、9ヵ月後の参院選である。各政党はコロナ対策と分断修復策を具体的に、かつ鮮明に示して、国民に賛否を問わねばならない。

(2021.11.01)

(前回  コロナ被害の県間格差

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