『宝』つなぐ思い一段と 長野県・JA松本ハイランド 臼井真智子さん 【わたし発 今 女性が生きる意義と役割】2022年1月27日
「一人は万人のため…」共通の目的のために組合員が結集した協同組合。農協や全国連、研究組織など多彩な活動があるが、その中で女性の存在は欠かせないものになっている。それぞれの分野で活躍している人から寄稿してもらった。
長野県・JA松本ハイランド
総務企画部組合員文化広報課長
臼井 真智子さん
昨年来のコロナ禍で、私の業務とする各種活動およびイベントは企画をしては中止するといった繰り返しの日々が続いています。中止やむを得ずと納得はしつつ、部署一同大きなため息の繰り返しです。
コロナ前には、女性参画センターの企画で毎年、地産地消をすすめ地域農業の応援と「食」の大切さを伝えるイベントを開催していたがそれも断念。しかし、皆で話し合ううちに目的達成の手段であるイベントは、目的を達成するために形態を変えればいいということにたどり着いた。
目的はそのまま当JA管内の農産物を多くの人に知ってもらおうと、各女性組織の代表が集まり、米やリンゴの無料配布を実施した。結果は大成功。慣例のイベントができないことは残念だが、新しい活動の成功に、参加してくれたメンバーは手を取り合い喜んだ。
私は、そんなJAならではの食と農の生み出す感動を広め、多くの人と関われるこの仕事が好きです。かつて、先輩職員から「自分磨き」を教わった。業務という名でいろいろな体験をし、多くの方々と関わることで人としても成長した気がする。
スキルアップすることで仕事は数段楽しくなった。職位も上がった。その先輩が言いました、「お給料が上がったら一生懸命がんばった自分へのご褒美も忘れずにね」と。ワークライフバランスも良好。それは、男性であれ、女性であれ同じこと。
私たちJAで働くものとして求められるのは、男性、女性というよりは、職員として地域のために何ができるかですものね。自分はこうしたいという自発性や、求められたらそれに応えられる自分でありたいと思える環境や職場風土も必要だと思います。
私がそうであったように仕事への向き合い方は、職員の育成にも大きな役割を果たすと思います。特にイベントでの、参加者の満足度や、歓声は私たちの達成感となり、モチベーションにもなっている。
女性参画が叫ばれて久しいですが、アンコンシャスバイアス、ジェンダーバイアスといった偏った捉え方は依然根強い感じがします。昨今のSDGsの取り組みを追い風に新しい変化を起こしたいです。
地域の伝統や家庭の味や、団らんは、代々引き継がれていくものですが、JAの業務も地域の中においてはそれらに近い役割もあると思います。地産地消の大切さや、手作りのおいしさ、昔ながらの味、皆が協力し合って地域全体が元気であることを次世代につないでいきたい。これは母性的な考え方かもしれませんが私が女性ですので、業務以外にもこの部分は大切にしたいと思っています。一人の職員として大切にしたい思いがあるってところも、私の魅力だと思っていただければ幸いです。
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