勇気出し『声』届ける 元JA山口県宇部統括本部副本部長 梶山ゆかりさん【わたし発 今 女性が生きる意義と役割】2022年2月28日
元JA山口県宇部統括本部副本部長 梶山ゆかり氏
JAの女性部は、農協に必要ですか? と尋ねたら、JAも女性部も必要と答えが返ってきた――。20年前の話だが今また問われているように感じる。あの時は婦人会と女性部が役員も兼ねていて、婦人会の解散が進む中で、JAの女性部も影響を受け、ガタガタと組織がゆすぶられ危機的に陥った時代。「女性部組織は必要かどうか...」各支部で話し合いを開いて組織自らが、真剣に考える機会が与えられた。
JAの中での立ち位置を明確にすることを総会で定め「女性部組織活性化組織討議委員会」を各支部に設置して、活動に対する評価反省(年3回部門ごと)課題をJAと協議する「女性組織活性化委員会」を設置(年1回以上)し、活動への理解を深め、JAと役割分担をする事でスムーズに活動が展開できた。これによりJAと女性部組織は『農・食』を重点に地域の活性化に取り組むことができた。
現在農協も変革期に入り経営優先の、農業協同組合と見えなくもない。農家の所得向上を錦の御旗に掲げて、出向く指導、出向く渉外体制を戦略とするJAが目立つように思えるが、組合員からすると、肥料農薬の価格と米価のバランスは取れていないばかりか、高齢化率が高くなり農機具等の費用拡大を、余儀なくされ農業離れが進んでいる。
今まさに女性部組織は、JAの基礎組織として、問題意識を高める事が急務に思われる。JAと女性部組織との溝が感じられるからだ。女性部組織の個人を見れば、JAの組合員であり唯一協同組合運動を組織活動する事で展開している。(正組合員加入運動、生産活動、生活文化活動、健康福祉に関する活動等)もちろんJAの信用・共済・経済事業いうに及ばず。女性部組織はJAの応援団と、思われがちだが実は農業協同組合の運営者である。だからこそ地域の活性化と切っても切り離せない関係を構築しないと、生き残れないJAとなってしまうかもしれない。
このようにJAの女性部組織は他の団体にない役割を担っている事を自覚し、万一JAが組合員の望んでいない方向性を打ち出した時は、身をていして軌道修正をJAに求める行動を起こさなくてはいけない。時代は回るもといわれるが今まさにその時と捉えて、地域の組合員の声を"勇気を出して"JAに届けて行きたい。
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