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【JA青年大会】盟友の熱い思い共有 JA島根県青年組織協議会会長 草野拓志【リレー談話室・JAの現場から】2022年3月1日

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JA島根県青年組織協議会会長 草野拓志氏JA島根県青年組織協議会会長 草野拓志氏

私は島根県の益田市で水稲14ha、花の球根2haを作る専業農家です。令和3(2021)年産の米価は過去最低を記録し、米農家にとっては非常に厳しい年となりました。また肥料農薬代、燃料代も値上がりし、今作の作付けの厳しさを感じています。

私は自社で生産する米の全てを自社で販売していますが、それでも「お米安くなっているのに安くならないの?」とお客さんから言われたり、スーパーでは米を安く販売していたりと、お米を作っていくことにこれほど難しいと感じた年はありません。米の需要は年々下がり続けており、米余りが非常に深刻化しています。

全青協の水田部会の座長として、また現場の農業者として、米への介入的な措置や補助金の増額など国や県に対して要請しましたが、需要のないものに対して補助はできないと突っぱねられてきました。農青連としての活動もそうですが、水稲農家としても岐路に立たされているな、と思わずにはいられませんでした。

島根県の盟友や議員の先生方、農水省と対話を続ける中で、今の水稲の置かれている向かい風をとても強く感じました。そんな中でも水田農業でうまく経営している盟友や全国の委員長、会長などと話すなかで、自分の経営も時代に合わせて柔軟に変化していかなければならないな、という結論に至りました。

この考えは自分が現場だけで収まっていたら生まれない発想でした。弊社では今年度、米の作付面積を減らし、麦大豆といった需要のある作物への転作を進めていきます。もともと米しか作ってこなかったので麦大豆を作るためにはコンバインの導入や、は種機、乾燥機、さまざまな作業機の導入など、大規模な設備投資が必要となります

米だけ作っていればいい、米の保護だけを訴え続ける、もともとそういった考えだったので転作への決断ができなかったかもしれません。仲間たちが「俺も米だけを作っていれば良いと思っていたけど、これからは麦や大豆を作って経営していかなければ生き残れない。転作の見通しは明るい」ということを飲み会の席でもしっかりと教えてもらいました。 

また参議院議員の藤木しんや先生に「挑戦しろ!生き残っていくために変化をしていけ!そしてもうけろ!」と背中を押されたことも自分が一念発起する衝動になりました。

米も選択肢の一つに

私は地元で育ち地元で農業をしているので、この田園風景が当たり前なんだと言う発想に阻まれていたのかもしれません。「米しか作れないんだ」という考えから「米という選択肢もある」というように考えをシフトさせることにしました。

地域で農業経営を維持していくためにも「変化を恐れず」「農地を守っていく」「雇用を守っていく」という目線の中で変化し続けなければならないなと、1年で多くのことを感じました

JA全国青年大会の開催はそんな盟友の熱い思いを共有できる場所です。参加される皆さんに一つでも多くの気付きと感動を持ち帰ってもらえるものだと思っています。農業を取り巻く環境はまだまだ非常に厳しいです。しかし次代を担う若手農業者として夢を持って毎日取り組みたいものです。

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