ウクライナ紛争で親露派が減らない理由【森島 賢・正義派の農政論】2022年3月28日
ウクライナ紛争は長期化するようだ。その間に多くの人たちが死んでゆく。一刻も早く終結しなければならない。
ウクライナとロシアの戦争のようにいうが、実際は米欧、ことに米とロシアの戦争になっている。
米は莫大な戦費を使って、戦争を民間の戦争請負会社に請け負わせ、最先端のITを備えた情報機器を使って、ウクライナ軍に戦術を与え、ハイテクで駆動する最新の武器をウクライナ軍に与えている。ウクライナ軍は、戦争請負会社の指示に従って、与えられた武器の引き金を引くだけでいい。
だから、米軍の姿は見えない。しかし、実際は米露の間の戦争なのである。そのことを、世界の各国は見透かしている。
上の図は、今月2日と23日の国連総会でのロシア非難決議案の投票結果である。結果はほとんど同じである。
つまり賛成は141票から140票に、反対は同じ5票、棄権と欠席を合わせると47票から48票になった。
賛成した国は親米派と考えられるし、棄権した国と欠席した国は親露派と考えられる。
◇
国の数は親露派のほうが少ない。だが、親露派には中国やインドなど人口の多い国がある。そこで、親露派の国の人口を合計すると、世界の人口の58%を占める。つまり、58%の人口を占める国が親露派になっている。親米派は42%にすぎない。
この2つの投票の間には21日の間隔があって、この間、激しい戦闘が行われた。しかし、世界の世論は、ほとんど変わらなかったのである。あいかわず、親露派が世界の58%を占めている。
◇
アメリカのバイデン大統領は、ロシアのプーチン大統領を、極悪非道な犯罪者のようにいう。だが、それは世界の42%の人にしか支持されていないのだろう。残りの58%の人たちは、納得していないのだろう。バイデン大統領の、こうした発言は、世界の多くの人たちに空しく響くだけである。
だからといって、ここでいいたいことは、この戦争はロシアにとって正義の戦争だ、ということではない。全ての戦争は不正義である。だから、一刻も早く終わらせることが正義だ、といいたい。
◇
一刻も早く、戦争という不正義を止めるには、何をすればいいか。それは、ただちに休戦し、両当事者の言い分を理解することである。そして、調停することである。
この際、日本は、どんな立ち位置に立てるか。
ウクライナ紛争が収束した後には、冷戦後の米国1強体制が終わって、新しい世界秩序を模索することになるだろう。それは、米型の自由と民主主義の東方拡大をめぐる模索になるだろう。
◇
米型の自由と民主主義といっても、それは普遍的な自由と民主主義ではない。親露派の国々には、それぞれ米型でない自由と民主主義がある。「万人のための」、そして「1人のための」自由と民主主義がある。
日本は、米型の自由と民主主義を無批判に信奉し、その東方拡大のための最前線に立って、その尖兵を目指すのだろうか。そうして、世界の58%の人たちを敵視する姿勢を続けるのだろうか。
いま日本は、その歴史的な地点に立っている。
(2022.03.28)
(前々回 ウクライナ紛争の深層)
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