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「強み」を伸ばすことを優先しよう~SWOT分析のSとOで考える【JAまるごと相談室・伊藤喜代次】2022年4月12日

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A・ライフ・デザイン研究所 代表 伊藤喜代次A・ライフ・デザイン研究所
代表 伊藤喜代次

昭和の経済成長の時代には、どのような企業も組織も成長度の違いはあっても、右肩上がりで事業が伸びていましたから、組織内の問題や障害を取り除くことが、何よりも重要と考えられていました。

というのは、本源的に、問題を取り出し、それを解決するか、改善することで、組織は良くなる、実績は上がる、という思いを抱く経営者・管理者が多かったのです。

現代社会において、問題を解決すれば、組織や経営は良くなると信じている経営者や管理者はいないでしょう。問題は深掘りしても改善策しか生まれないことも理解されてきました。実績を伸ばし、成果を上げるためには、将来を見通し、いかに自分たちのストロング・ポイント(強みや得意なところ)を生かすかを優先すべきであることは、広く理解されてきています。

30年ほど前から、管理者研修などで必ず学ぶフレームワーク(ビジネス上の問題や課題を理解・解決するために用いる、考える枠組み、理解のための構造やポイントをパターン化して、論理化しやすくする)の一つにSWOT分析があります。

多くのビジネスマンが知っているSWOT分析です。

今後の事業の目標を達成ための戦略や計画を考える場合、自分たちの事業をめぐる外部の市場環境や競合先の動向、内部の経営資源の状況などを正しく把握・分析することが不可欠です。ホワイトボードに書き込んで、スタッフに理解してもらう手法としても、わかりやすい方法です。

ここで、それぞれのJAの職場や事業などについて、強みと弱みを、思いつくままにたくさん項目を書き出してみてください。その項目を、強みと弱みで並べてみると、大事なことに気づきます。強みと弱みは、左右対象にあるということを。

たとえば、JAの強みは、総合事業をおこなっていることですが、弱みは、縦割り型の事業で連携ができていない。また、組合員組織があることは、JAの大事な強みですが、メンバーが高齢化し、活動が形式化していることが弱みです。このように、強みと弱みの項目が対象的で表裏の関係にあるとするなら、強みを伸ばすことで、弱みの解決につながるはずである、と考えるようになりました。

「強みを伸ばし、チャンスを生かす」私のコンサルティングで、よく使うフレーズです。要するに、強み・Sを伸ばし、機会・チャンス・Oを生かす、SWOT分析では、まずは、SとOを優先して取り組み、それを強化し、結果を求め行動するということです。

このSWOT分析は、JA組織全体を対象にしても抽象的な項目が並び、実践的ではないので、支店や事業所のような職場について使ってみると、取り組みやすいです。弱みや問題を改善するための取り組みには、スタッフのみなさんのモチベーションは上がりませんが、強みを伸ばすという取り組みには前向きな姿勢になりますから、結果も成果も期待できるのです。(A・ライフ・デザイン研究所 代表 伊藤喜代次)

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本コラムに関連して、ご質問、ご確認などがございましたら、お問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。コラム内又はメールでお答えします。

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