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コロナ禍で安全性が再認識されるローマの市場 ローマ在住ジャーナリスト・茜ヶ久保徹郎【イタリア通信】2022年5月21日

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イタリアの町には必ず市場があります。
町によっては広場に午前中だけ店を出し、終わるとすべてを片付けてきれいな広場に戻すところもありますが、ローマの場合は市有地に「地域の市場」と呼ばれる恒久的な施設が70あります。そのうち30は建物の中に、40が露天で、月曜日から土曜日まで午前中だけ営業しています。

ローマの市場ローマの市場

ローマの中心から10キロほどの住宅街に住んでいる私の家の近くの市場は青空市場で、道路沿いに柵で囲まれた中に36店が軒を並べています。うち28店は食品、残る6店舗は花屋、雑貨屋、衣料品店、そしてコーヒー店などです。
食品店で一番多いのは八百屋、そして肉屋、ハムやチーズなどを扱う乾物屋と続き、魚屋が2軒あります。

野菜を売るっているクリスティアーノさんの店野菜を売っているクリスティアーノさんの店

八百屋さんの中には自分で作っている野菜を売っている店もあります。
78歳の父親と店を出しているクリスティアーノさんは、ローマ郊外に3エーカー(1エーカーは約4046平方m)ほどの畑を持っており、おじいさんの代から市場に出店しています。朝の忙しい時が終わると店は父に任せて自分は畑に行きます。最近は日本人の客がいるので日本のカボチャやキュウリなども作っており、今は春菊の季節だそうです。

こういった市場は、昔はどこにでもありました。

ギリシャ時代には町の中心に人々が集まるアゴラ(広場)に食品だけでなく農機具や鍋カマなどの家庭用品、香水や宝石を売る店、床屋、そして医者もいました。
古代ローマの市場もギリシャと同じように町の中心に置かれ、フォーラムと呼ばれました。

ローマの中心にある遺跡であるトライアーノ市場ローマの中心にある遺跡であるトライアーノ市場

ローマの中心にあるフォロロマーノ(古代ローマ時代の遺跡)も共和制時代までは色々な店が並んでいましたが、ローマ帝国が発展すると元老院や多くの神殿がおかれ、政治、経済、宗教の中心となったために市場は市内のいろいろな場所に移されました。
その頃、食品市場は露天にありましたが、紀元前179年に初めて屋内市場が誕生しました。2世紀に作られたトライアーノ市場の建物は今も残っており、当時の市場の様子を知ることが出来ます。

ローマ市経済担当助役のモニカ・ルカレッリ氏に話をうかがいました。モニカ氏は「地域の市場とローマっ子の絆は強く、Covid19騒ぎで市民は密になりやすいスーパーにくらべ安全な露天の店を再認識しました。ローマには素敵な市場が沢山あり、コロセウムから100メートルにある市場などがその例です」と語ります。

また、「ローマ市は品質、価格をチェックするCAR(ローマ生鮮食品センター)を民間と共同で運営しており、地域の市場はスーパーと比べ品質/価格で優れています。コロナウィルス問題の中で、市場の売り手たちが客の安全や便利さに気を配ったことから、信頼と親しみが増し、騒ぎが落ち着いた今でも客は減りません。将来は屋根に太陽発電のパネルを置くなどして、環境にやさしい市場、そして市民が新鮮な食材を使った料理を食べながら集まれる場所にしたいと思います」と述べ、コロナ騒ぎの中で価値が再認識された市場をさらに市民に親しまれる場所にしていきたいとの思いを語りました。

ローマでは、市場は住民がおしゃべりをしたり、コーヒーを飲んだりできる場所。スーパーと違い、客と売り手、客同士などの人間関係が密になり、高齢者を孤独から救う場所でもあります。

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