薄れる季節感思う【消費者の目・花ちゃん】2022年8月13日
セミが鳴いていないことに気が付いたのは、記録的に短い梅雨が明け、早朝からじりじりと照り付ける太陽を避けるために桜並木の下をジョギングしている時でした。昨年はうるさいくらいにセミが鳴いていたのに・・・。セミがやかましく鳴いていると、自分自身も負けるものかという気持ちになるのですが、今年は音のない世界に迷い込んでしまったようです。只々自分の足音を聞きながら黙々と走るのは寂しいものです。
季節感が無くなったと言えば、コロナ禍でマスク着用が通年化したために、冬の季語であるマスクが季語でなくなるかもしれないという話を耳にしました。花粉症で春先にマスクをする人が定着していることもあり、私が子どものころよりはマスクをする期間は長くなっていると思いますが、コロナ禍は思わぬところで私たちの生活や季節感に大きな影響を与えていたのだと気づかされました。
話をセミに戻します。7月の中旬に、戻り梅雨のような雨降りがあり、7月下旬になってやっとセミの鳴き声を聞くようになりました。セミは土の中で育つので、セミの羽化には気温の上昇だけでなく、まとまった雨が不可欠なのだという人もあれば、羽化の時期は7月中旬位からで、今年は梅雨明けが早すぎただけという人もあります。鳴き始めたとは言ってもなんとも頼りない鳴き方なのですが、少しは夏らしくなってきたように思います。
これから8月を迎え、うるさいほどの蝉しぐれになるのか、このまま不発に終わるのか、注目したいと思います。夏の暑さで立ち上る陽炎と耳を塞ぎたくなるほどのセミの鳴き声は、私に取って無くてはならない夏の風景です。そう言えば、私の少年時代には熱中症なんて言葉はなかったなあ。
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