ジェラート大好きなイタリア人 ローマ在住ジャーナリスト・茜ヶ久保徹郎【イタリア通信】2022年8月16日
イタリア旅行をしたことがある人ならローマの街中で大のおとながジェラートを食べながら歩いているのを見たことがあると思います。イタリア人はジェラートが大好き。手作りのジェラートを売る店が美味しさを競っています。
ジェラート大学の授業の様子
私はジェラートとはアイスクリームの一種で冷たくて甘いお菓子だと思っていましたが、イタリア語でジェラートとは「凍ったもの」。手作りだから果物から野菜、ウイスキーや日本酒まで色々な材料を使って、色々な味を作ることができると知りました。
7月14日、ローマの外国人記者協会でカルピジャーノ・ジェラート大学の学長、伊藤香織さんが記者会見し、ジェラートフェスティバルのワールドランキングを発表しました。
伊藤香織さん(左)らによる記者会見
カルピジャーノとは、イタリアの手作りジェラート作成機器メーカーで、ジェラート作りの専門家を育てる学校を設立しています。卒業生は全世界に広がり、各地に大量生産ではなく手作りの味が楽しめるジェラート屋が出来ました。
同大学は10年ほど前から世界各地でジェラートグランプリを競うフェスティバルを開催し、5000以上のジェラート屋さんが参加、最後に各国・各地の優勝者が集まり、世界トップを競いました。
このランキングで1位となったのが、ローマのメトロC線のマラ・テスタ広場にある手作りジェラート店のオーナー、エウジェニオ・モローネさんです。モローネさんは、イタリア、ヨーロッパで金メダルを獲得、2020年の世界大会でも優勝しており、ジェラートの殿堂入りを果たしました。
学長の伊藤さんは会見の中で、「ジェラート大学はヨーロッパ癌研究財団の健康に良い『SmartFoodプログラム』に参加し、健康促進効果があるジェラートレシピを開発しました。例を挙げますと、洋ナシ、ビート、生姜のシャーベットなど。生姜はポリフェノールに富み体に良いものをたくさん含んでおり、ビートは血流をよくするベタインを、洋ナシは心臓血管系に良い分子をたくさん含んでいます。また、野菜などを使ったガストロノミー・ジェラートは、大学の上級クラスで大切なテーマの一つとなっています。ガストロノミー・ジェラートは甘みを抑えて塩分の入ったジェラートで、普通のレストランでは前菜として出され、日本には専門店もあります」などと説明しました。
ランキング1位のモローネさん
実際にどのようなジェラートを作るのか、殿堂入りしたモローネさんに訊ねてみると、次のように話してくれました。
「私は栄養学者と協力して、色々な病気に適したジェラートを作る研究をしています。ちょうど糖尿病の妊婦のために作った、砂糖を使っていない桃とプラムのシャーベットがあるので味を見てください。(口に入れた時は甘さが足りない感じがするが、食べていると果物本来の味がします)。しかし店で売るのは普通のジェラートで、甘くなければ売れません。また、子供には見た目も大切で、私の子供はあまり野菜を食べないので、アイスキャンデーにしてみました。ガストロノミーはレストランのシェフと協力してオードブルなどと併せて食べるように作っています」
糖尿病患者向けの桃とプラムのシャーベット
食物アレルギーのある人や食事制限を受けている人、ダイエット中の人などが安心して食べられる美味しいジェラートの開発が期待されます。
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