日本に適する硬質、中間質小麦の開発【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第214回2022年9月15日
前回述べたように、香川県は2000年に見栄えがASW小麦に負けない「さぬきの夢2000」を開発した。しかも雨の被害もうけず、収量も安定している。そこでそれが急速に県内に普及し、最近ではさらに新しい優良な品種が開発されたと聞く。こうしたなかで讃岐うどんはまさしく讃岐の小麦=うとん粉を使った本来の讃岐うどんに戻っている。
しかし、少しずつ変わってきた。まず、小麦粉のおいてある棚で「北海道産小麦粉を使った強力粉」が売られるようになった。袋に「ふっくらおいしいパンやピザ生地が作れます」と書いてある。うれしかった。家内は早速購入していた。その袋の裏に「カナダ・アメリカ産小麦が原料の強力粉と性質が異なるので作り方は袋の裏に書いてあるのを参考にしてください」と書いてある。そうなのだ。アメリカの小麦粉に合う作り方と「パン焼き器」でパンなど作っていたからおいしくなかったことも問題なのであり、これの改良も必要なのである。家内はその袋に書いてあるやり方でパンをつくってみた。私も一口食べてみた。うまかった。
数年前だったと思う、小麦粉の棚に宮城県産「ゆきちから」を使った強力粉があるのをみつけた。でも家内は言う、パンを作るのは無理だろうと。でも袋を手にとってみたら、パンも作れると書いてある。早速買って家内は作ってみた。うまく作れる。味は遜色ない。宮城県産の小麦でもおいしいパンがつくれるのだ、うれしかった。
一方、生麺の棚でも国産小麦粉使用と袋に書いてある讃岐うどんが見られるようになった。「さぬきの夢2000」を使ったのかどうかはわからないが、それを見たときうれしくなってお昼はそのうどんにしようと早速購入した。最近では「小麦粉は宮城県内で栽培されたゆきちからを使用」してると大きく書いてある袋も見られるようになった。
乾麺では宮城県産小麦でつくった「白石温麺(うーめん)」が最近売り出された。なお、稲庭うどんはなめらかな舌触りが特徴で秋田県湯沢市稲庭町の名産、温麺は宮城県白石市名産、油を使わずにつくった素麺とのことでさっぱりして上品な味、お勧めしたい一つである。
残念なのは国産小麦粉を使っている中華麺がないことだ、と思っていたら、4~5年前、一種類みつけた。もっとたくさん出てもらいたいものだが、ともかくこれもうれしかった。もちろん買って食べた、うまかった(「ひいきの引き倒し」だったかな?)。
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