シンとんぼ(13)耕地面積に占める有機農業の割合を25%に拡大(2050)②2022年10月8日
シンとんぼは、農業現場でも十分に実践が可能で、環境影響が正しく低減され、国産農産物の生産が向上して、国民の胃袋を国産で賄える状態になることを切に願いつつ、「みどりの食料システム戦略」の環境保全戦略の3つ目「有機農業を100万haに拡大」というKPIに切り込んでいる。
前回の最後に、シンとんぼは、「うーん、農水省は、実現可能という見込みがあってこのKPIを作ったのだろうか?と是非とも聞いてみたいものだ。」とつぶやいた。
以前、「みどり戦略のKPIは努力目標である。」と農水省の担当官がとある説明会で述べたと書いたが、それを信じれば、「みどり戦略」に定められた重たいKPIは、「実現すればすごくいいね!」的に気楽に取り組めるのだが、そのこととは裏腹についに「みどり戦略」が法制化されてしまった。守らなくていい法律は無いと思うので、実際問題として農業界は「みどり戦略のKPI」実現に向けて努力を続けなければならなくなるだろう。
だから、農水省は努力目標だとかいう前に、「こうやっていけば、必ず実現するから一緒になって頑張りましょう」という風に、進め方を具体的に示す義務があると思う。少なくとも、目標を作った際に、「有機農業が100万haまで普及すれば、日本国の食料事情がこうなり、自給率も○○%まで向上しているだろう」とかの見込みや根拠をきちんと示してほしいものだ。
それをしないで、ただ目標を示しただけで「後は農業界の皆さんで頑張って実現して下さいね」では余りにも乱暴だと思うのだがいかがだろうか? とはいうものの、国から明解な回答が得られるとは到底思えないので、シンとんぼなりに、「有機農産物を普及することの良し悪し」を考えてみようと思う。
まず、「有機農産物は環境にやさしいのか?」という点だ。この環境が何かということをまずは定義してみなければ、何が環境に影響するのかがわからないだろう。
有機農業が語られるとき、やたらと自然が一番ということが言われるが、本当の自然な状態というのは、人間の手が入っていない山林野のことをいうのではないだろうか。ところが、ある特定の植物を一定量収穫できるように栽培するには、この山林野を開墾して栽培しやすい農地にしなければならない。これは、もともとの山林野という自然環境からすれば、人間が勝手に自然に手を入れて、人間の都合のいいような姿に変えられてしまったと思っているのでは?とシンとんぼは思うのだがどうだろう。
ま、それはそれとして、人間が生活するためにはある意味で自然環境を破壊して成り立っているということを真摯に受け止めた上で、農業分野でいうところの環境とは、田んぼや畑、その周りの山林、河川、用水路、ため池、湖沼、人間の生活圏を含めた「栽培環境」であると定義して考えてみようと思う。
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