組合員「ロイヤルティ」を高める行動を実践しよう!【JAまるごと相談室・伊藤喜代次】2022年12月6日
「見込み客」?「顧客」?「得意客」?「贔屓客」へ
A・ライフ・デザイン研究所
代表 伊藤喜代次
サービス事業を行う企業や組織においては、頻繁に使われる大切な言葉の一つに「顧客ロイヤルティ」(Customer Loyalty)があります。顧客が特定の企業や組織の商品・サービスを頻繁に利用してもらうことは、その企業や組織に対する「貢献性」のほかに、「信頼」、「愛着」、「共感」をもってもらう意味も持ちます。このような顧客を大切にし、増やしていくことが事業や経営に重要だという考え方です。
1980年代までのサービス業では、初めてのお客を、いかに継続して利用していただけるお客にするかが大事で、そのためには、従業員やスタッフの笑顔での応対、言葉づかい、態度などの研修だ、という時代がありました。もちろん、商品やサービスの内容の研究にも力を入れてきましたが、初めてのお客を、いかにリピーターにするかは優先事項だったのです。
先輩のコンサルタントからこんなことを教えられました。「お店の外を歩いている人は、単なる"見込み客"でビジター、あるいは名前のない"消費者"でコンシューマーなんだ。外を歩いている人が来店し、初めて買い物をしてくれる。その人が、店や商品、スタッフの対応などを気に入ってくれて、再来店し、また買い物をしてくれると、この人は"顧客"、カスタマー(慣習的に同じ場所を行き来する人、顧客、得意先)になる。サービス経営は、いかに、このカスタマーを増やし、その関係をしっかりと長く維持し、発展させるかだ」と。
これは、まさにマーケティングの論理ですが、コンサルティングでも、店舗を抱えるサービス業の場合、最初に具体的なデータを収集するのは顧客に関するものです。人数はもとより、メインの客層、なかでも来店頻度が高く、買上げ金額も多い顧客はどんなお客か、「顧客像」を形にしていきます。もちろん、扱う商品ごとの売上げの実績を見ながら、店舗の特徴を数値化しますが、やはり、重視するのは顧客についてです。
わが国では、小売業や飲食業、宿泊業などに共通して、利用客を分類して複数の「グループ」として捉えます。簡単な例では、「見込み客」から「顧客」へ、時々顔を出して利用していただくと「得意客」となり、頻繁に利用し、利用金額も多額になると「贔屓客(ひいききゃく)」といった具合です。それぞれの段階での維持策、次の段階への誘導策、グループごとに考えて対応するというものです。
顧客ロイヤリティと「推奨」「口コミ」行動
顧客との関係性を段階的に考え、顧客、得意客、贔屓客をそれぞれ増やし、失わないための手立てや対応に努力してきたのです。なかでも、得意客や贔屓客を重視したのは、利用度や金額もさることながら、商品の良さ、スタッフの対応の良さ、情報提供やアフターサービスの早さなど、店の評判をあちこちで吹聴してくれ、利用を薦めてくれる口コミの重要性を理解していたからです。こうしたロイヤルティは、一定の商圏をもつ地域の店舗では、もっとも注意し、きめ細かい対応が功を奏したからでしょう。
最近は、EC(Electric Commerce=インターネットなどを通じての商品やサービスの商取引)が急拡大し、ネットでの評判や利用状況を簡単に目にすることができます。残念ながら、そのネットでの書き込みや評価点の信頼性は高いとはいえません。
とはいえ、同じJAの組合員であっても、事業利用の実績や組織活動への参加度など、JAとの関係性に大きな違いが生まれていることは認めざるを得ないでしょう。組合員対応や事業活動において、もっとスピーディーに組合員との関係性が読み取れ、アプローチできるDX(デジタル・トランスフォーメーション)体制の整備は急がれます。
なぜなら、JAに対する組合員のロイヤルティが、きわめて重要だと思うからです。それは、地域社会において、協同組合としての組織的な活動の意味や価値を共有し、これからの事業活動や組織活動に根づかせていくことを大切にしたいと考えるからです。
JAが行う多種の事業の利用が多い"ヘビーユーザー"といえる組合員は、どこのJAにも存在していますし、DXに頼らなくても、支店や事業所の職員は良く知っているでしょう。こうしたJAにきわめて高い信頼を寄せる大口取引の組合員、一方で、事業取引は小さくても、JAの大ファンだという組合員もいます。
手始めに、このようなロイヤルティの高いJA組合員へのアプローチ(訪問と対話)を行ってもらいたいものです。お話を伺うなかに、組合員の多様性とグルーピングへの対応策が見つかると確信しています。
ロイヤルティには、もう一つ大切な「職員のロイヤルティ」があります。これについては、後の機会に譲ります。
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