興味深い経済の血流【消費者の目・花ちゃん】2022年12月10日
来年の5月が車検というのに、もう車検の予約をしませんかという売り込みが始まっています。9年前、娘が就職した年に購入した軽自動車なので、今年で4回目の車検となります。走行距離は14万キロと決して新しいとは言えない車ですが、エンジンもすこぶる快調で、あと2年は楽勝だと思っています。本当に日本の自動車のクオリティ、特に耐久性には目を見張るものがあります。
日本の中古車は海外でも人気で、中古車の輸出先の第一位はロシアです。ウクライナ情勢の影響で輸出台数が大幅に減少するのではないかとみられていましたが、どうしてどうして、2022年6月以降、ロシア向けの中古車輸出は、輸出台数、平均単価ともに上昇して、ちょっとしたバブルになっているそうです。8月の平均単価は145万円と昨年の2倍の高値を呈しているというから驚きです。
ロシア向けの中古車販売の歴史は、50年ほど前に遡ります。当時は東西冷戦下の真っただ中だったのですが、高度成長期の住宅建設で不足した木材を海外から輸入するようになった時期でもありました。ロシアから原木を運んできた船が帰り荷として中古車を運んだのが始まりだそうです。敵対する陣営間にも経済という血液が流れていたとことは非常に興味深いことだと思います。
日本とロシアの貿易額は、米国や中国に比べると大きくはありません。2021年の実績では輸出額の53%が自動車と自動車部品で、輸入額の約6割が液化天然ガスや石炭・石油などのエネルギー資源と約2割がアルミニウム、パラジウム、ニッケルといったレアメタルとなっています。ロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁の掛け声に対して、実際の経済活動は違う動きをしているようにも見えます。
(花ちゃん)
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