「クリスマスは家族、新年は好きな人と」ローマ在住ジャーナリスト・茜ヶ久保徹郎【イタリア通信】2023年1月14日
日本ではクリスマスにはカップルでレストランで食事をしたり、パーティーを開いて飲んで騒いだりし、大晦日にはお蕎麦を食べ、除夜の鐘を聞き、お正月には神社にお参りし、家族でお屠蘇を飲み、おせち料理を食べるなど静かで厳かな雰囲気で過ごします。
一方、カソリックの国イタリアは正反対。クリスマスは教会のミサに行き、イブの夕食、そして25日の昼食はおじいさんおばあさんから孫まで集まり、一緒に食事をしてキリストの誕生を祝います。そして大晦日から元旦にかけては自宅やレストランでパーティー、夜中の12時になると花火や爆竹で大騒ぎをします。
イブの食卓の様子
イタリアでは『クリスマスは家族と、新年は好きな人と』と言います。
そしてイブには肉を食べません。
以前はカソリックの人は復活祭前の水曜日と金曜日に断食し、毎週金曜日とイブには肉を食べないことになっていましたが、イタリア司教会議はこうした規制を廃止しました。
しかし民間には習慣が残っており、今でも金曜日には魚を食べることが多く、クリスマスイブはどこの家庭も魚料理です。
クリスマスイブの晩、バルバラさん(52歳)、イヴァノさん(54歳)夫妻の家にお母さん、妹、息子、娘夫妻と孫など11人が集まり夕食会。料理自慢の夫のイヴァノさんが作り、バルバラさんが後片付けをするそうです。
メニューはオードブルにイカのくん製とタコのサラダ。パスタはケーパー、ツナ、オリーブ入りのトンナレッリ(卵の入ったパスタ)。その後、詰め物をしたイカ、シオダラの天ぷら、イカフライにポテトサラダと、豪華ですが、みな家庭料理。飲み物は赤、白のワインにスプマンテ。そしてデザートはパネットーネです。
クリスマスの昼食
ダニエルさん、マウリツィオさん夫妻
ダニエラさん(65歳)と夫のマウリツィオさん(61歳)は、コロナ禍のために3年ぶりにローマから50キロほど離れたダニエラさんの故郷、今は妹が住んでいる実家に、兄弟4人とその家族、全部で19人が集まりクリスマスを祝いました。
食べ物はもちろん肉料理。みなで持ち寄ったそうです。
クリスマスの昼食
オードブルには生ハムやサラミソーセージ、チーズなど。パスタはミートソースのタリアテッレとラビオリ。続いて肉団子とアーティチョーク、ソーセージと揚げ物、鶏の内臓料理。そしてビートとポテトの煮物。
赤、白ワインにスプマンテ。
デザートはもちろんパネトーネ。
1時半に食べ始め、ゲームなどを楽しみながら、お開きになったのは夜の11時半だったそうです。
大晦日の楽しみ。
ローマの中心、ナボーナ広場の近くのレストラン GUSTOのメニューを見ると、シェフ自慢の豪華な料理が並んでいます。12時になるとスプマンテで新年を祝い、レンティッキア(レンズ豆)と豚肉の腸詰、そしてパネトーネが出されます。
レンティッキアは日本の年越しそばの感じ。ローマ時代から「形や色が金貨に似ており、煮ると増えることから年越しに食べるとお金が増えると言われています。
我が家の年越し。左に見えるのがレオ
我が家の犬のレオは爆竹が大嫌い。家の外で鳴り始めると私の近くで震えているので出かけるわけにいかず、大晦日は家でレンティッキアと腸詰を食べながらスプマンテを飲んで過ごしました。
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