シンとんぼ(35)スマート農業は役に立つのか?⑨2023年3月18日
シンとんぼは、現在、スマート農業が本当に役立つものなのかをテーマに検証するため、農水省ホームページに紹介されているスマート農業技術を①GPSを利用した自動操舵・制御による農業機械、②農業用ドローン、③水管理システム、④自動草刈り機、⑤収穫機、⑥出荷調整機の6つに整理し、検証を進めている。
今回は、④自動草刈り機である。
自動草刈り機とは文字どおり自動で草刈りする機械であるが、機種によってその機能は異なる。大きく分けて、無線リモコンで遠隔操作するものと、ロープなどで刈り取りエリアを囲いそのエリア内を自動でランダムに走り回って草刈り作業する全自動のものとに分かれる。
後者の全自動タイプは、ご家庭のお掃除で活躍しているiRobot社のほ場版のようなものであり、ルンバ同様にバッテリーが不足すると自動で充電する優れものだ。なので、充電設備さえ用意できれば、24時間草刈りが可能になるが、ほ場に交流電源が引かれている必要があるため、利用できる場所が限られるだろうな。
どんな機種があるのかと思い、農水省のスマート農業カタログ(URLは下記)に掲載されているものを拾い上げてみた。まずリモコン操作の草刈機が、高機動畦畔草刈機(農研機構)、ラジコン草刈機「ARC-500」(クボタ)、リモコン式自走草刈機(三陽機器社・ヤンマー)、電動リモコン作業機(ササキコーポレーション社・ヤンマー)、ラジコン草刈機「スパイダー2SGS」「スパイダーILD01」「スパイダーミニII」(レンタルコトス社)、ラジコン式自走草刈機WM510RC(ハスクバーナ・ゼノア社)、高機動畦畔草刈機(ササキコーポレーション)といったものがある。いずれも、動力はエンジンを採用しているものが多く、草刈りしたい場所をリモコンで操作して作業する。機種によって対応できる傾斜が異なるなど能力が異なるため、自身の圃場の状態にあったものを選択するようにする必要がある。
次に全自動タイプのものでは、ロボット草刈機「MR-300」(和同産業社)、ロボット草刈機 オートモア450X(ハスクバーナ・ゼノア社)、ロボット草刈り機Grass Miimo HRM3000(ホンダパワープロダクツジャパン社)であり、いずれもワイヤーロープで草刈りをしたい地面を囲い、その内部を自動で草刈りするものである。ロープで囲う作業は必要だが、それさえ終わればあとは勝手に機械が走り回って草刈りしてくれるので省力的である。リモコン操作タイプと同様に、機種ごとに草刈り能力や傾斜対応能力などで差があるので、導入前の機種選びには注意必要だ。
ただ、どの自動草刈機もそれなりに高価であり、しかも重量も大きなものも多い。一度に草刈りできる面積は、機体が大きなものの方がよく、その場合は機体重量が200kgを超えるものもある。その機種の場合、草刈り場所に運ぶだけでも数人かかりでかなりの労力がかかるので、刈払い機をその人数で行った場合とを比較検討する必要がある。ただ、毎年発生が多い「刈払い機による事故を防ぐ」ことができることは大きなメリットとなることは間違いないだろうな。
自動草刈り機も導入する場合には、あたり前だが、費用対効果と維持経費を良く考える必要があるようだ。
重要な記事
最新の記事
-
JA熊本経済連が1000トン落札 政府備蓄米 「価格下がっても500円前後か」2025年3月12日
-
JAさがは2回目も入札 政府備蓄米放出 「今年は米騒動起こさぬため」2025年3月12日
-
政府備蓄米、入札量の9割落札 JA福井県 価格低下は限定的か2025年3月12日
-
意思決定と女性参画【小松泰信・地方の眼力】2025年3月12日
-
シロアリ防除剤「メタミサルト」、蛍光性能で薬剤の存在を可視化 最速で業界トップシェア目指す ZMクロッププロテクション2025年3月12日
-
こども食堂で富山県産牛乳の体験ミルク教室を開催 JA全農とやま2025年3月12日
-
岐阜県産イチゴのイベント「ぎふのいちごおやつマルシェ」を開催 県内17の菓子店が集結 JA全農岐阜2025年3月12日
-
農協シリーズからモナカアイス「北海道ミルク」「京都宇治抹茶」新登場 JA全農2025年3月12日
-
「いわて純情米」アンバサダーにエンゼルス菊池雄星 投手が就任 JA全農いわて2025年3月12日
-
黄金の郷のこだわり りんごとトマト、丸搾りのジュースに JAいわて平泉(岩手県)2025年3月12日
-
特産のゆずがドロップに 鼻に抜ける甘酸っぱい香り JA神奈川つくい(神奈川県)2025年3月12日
-
ハマササゲの耐塩性機構が明らかに 作物の耐塩性開発に期待 農研機構2025年3月12日
-
青りんごが赤くなる不思議 眠りから覚めた遺伝子が果皮の色を変えるメカニズム判明 千葉大学2025年3月12日
-
植物栽培の生理生態情報定量的を可視化 高知大学IoP共創センターと共同研究開始 welzo2025年3月12日
-
家庭用油脂製品7%~15%の値上げ 油脂製品を価格改定 J-オイルミルズ2025年3月12日
-
グリーンコープ生協みやざき「笑顔つながるこだわりマルシェ」都城で15日に開催2025年3月12日
-
三重県カンキツ生産者研修会開く 高品質安定生産、日焼け対策などを報告 三重県園芸振興協会2025年3月12日
-
「健康経営銘柄」3年連続選定「健康経営優良法人~ホワイト500~」は9年連続認定 明治HD2025年3月12日
-
「健康経営優良法人2025」認定を取得 ヤンマー2025年3月12日
-
令和6年度省エネ月間四国地区表彰にて「四国経済産業局長表彰」受賞 井関農機2025年3月12日