【JCA週報】協同組合理念の明確化と貫徹のために(6/全6回)(一楽輝雄)(1978)2023年4月24日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中代表理事会長、副会長 土屋敏夫日本生協連代表会長)が協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
今回は、本機構の前身の一つである協同組合経営研究所が発行した「協同組合経営研究月報」No.292(1978年1月)に掲載された、一楽輝雄理事長(当時)の「協同組合理念の明確化と貫徹のために」です。
ボリュームの関係から6回に分けて掲載いたしました。
協同組合理念の明確化と貫徹のために
「協同組合理論と現代の課題」研究会のオリエンテーションから-(6/全6回)
一楽輝雄 協同組合経営研究所理事長
1.協同組合とは何ぞや
(1)その目的と理想(1)
(2)競争原理対協同原理(2)
(3)相互扶助と自主独立(3)
2.協同組合原則について
(1)加入脱退の自由(3)
(2)民主的運営(4)
(3)出資金の性格(5)
(4)剰余金処分の合理化(5)
(5)事業活動に優先する教育(学習)活動(6)
(6)系統組織対連合組織(6)
(5)事業活動に優先する教育(学習)活動
協同組合は事業活動だけではなく、教育活動もやらねばならないとされている。しかしわが国の協同組合において実際に行なわれている教育活動は、事業活動を促進するための方便という実態にとどまっているのがほとんどであると言えないであろうか。
教育活動は事業活動との関係においては、その量の拡大のためではなく、その質の改革のために役立たねばならない。
卑近な例を挙げれば、洗剤の害毒についての組合員の学習を促進し、洗剤の需要を石鹸の需要に転換させる活動を先行させることによって、購買事業における洗剤から石鹸への切替えが実行できる。教育活動が事業活動に優先しなければ、この切替えはいつまでたっても実現しないであろう。
社会の変動が余り激しくない時代であれば、教育活動の重要性はそれほど強調しなくてもよいであろうが、社会の変動がこれほど激しく、かつ深刻である時代においては、協同組合における教育活動の重要性は、如何に強調してもしすぎることはない。
その教育の内容は、協同組合が課題として取組むべき問題を組合員に認識させることであって、その課題に取り組むことによって、協同組合運動が如何に今日の社会において大きな役割を果たし得るかを理解させることでなければならない。
(6)系統組織対連合組織
わが国では協同組合が単位組合だけでなく、段階的に連合会も整然と組織されているのが特色になっている。しかし連合会は本来は横の組織であるべきにかかわらず、実態としては多分に縦の組織になっていると言わざるをえない。系統組織というような、縦組織を意味する言葉が、農協では平然と使われている有り様である。
組合と地方連合会間、地方連合会と中央機関間の関係を、縦組織ではなく、組合相互間、連合会相互間という横の連がりに変質させることこそ肝要である。
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