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【浅野純次・読書の楽しみ】第87回2023年6月21日

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◎岡野八代・志田陽子ほか 『日本は本当に戦争に備えるのですか?』(大月書店、1650円)

岸田首相が防衛力強化に前のめりになっています。国家防衛戦略などいわゆる安保関連3文書を閣議で決定したのは、2015年の安倍政権による集団的自衛権問題に匹敵する暴走でしょう。
これにより今後5年間で43兆円という防衛費が見込まれることになりました。財源も大問題ですが、過去5年の5割増という増え方には驚かされます。
本書は、①台湾有事が迫っているという説は本当か②そんな岸田政権を支えるメディア③国家安全保障の美名のもとに置き去りにされる国民④憲法の空文化とあるべき法のあり方⑤個人をケアすべき政治、などで構成されています。
ウクライナ戦争を契機に、日米で台湾を救わねばというもっともらしい説が出ていますが、本書によれば現実との乖離は甚だしいものがあるようです。
さらに防衛予算の増額、あまりに気前のいい米国への支払い方、こんなにいい加減でいいのかとあきれてしまいます(このおカネは私たちの税金です)。
平和的生存権の内実とは、国家の安全より国民の安全・自由・財産を守ることが先決、J・ロックに学ぶ、など大事な指摘がたくさんあります。少し難しいところもありますが、避けて通れない大事なテーマばかりです。

◎河村小百合 『日本銀行 我が国に迫る危機』(講談社現代新書、 1100円)

10年ぶりに日銀総裁が交代しました。黒田前総裁は終始、自画自賛して退任しましたが、後に残されたのは無残な遺産ばかり。これでは植田新総裁もうかつには動けないし、爆薬処理班のような慎重さで出口戦略にあたらないといけません。
著者の日銀論は厳しいの一語に尽きますが、述べられているのはあくまで正論で、多くのメディアの日銀論は甘すぎるのではないか、という感想を個人的には持ちます。
いちばん重要な指摘は日銀がこれほど大量の(10年間で560兆円もの)国債を買い取ってきたことの深刻さです。これをどう始末するのか、金利を上げていこうとすれば日銀は破綻せざるをえず、預金封鎖という戦後の悪夢の再現が示唆されます。
ではどうするか。提示されるのは国債は発行できず、国債償還は進めるしかなく、そして社会保障費も防衛費も「4割カット」せざるをえない絶望的な日本の姿です。もちろん増税も避けられません。力のこもった警世の書です。

◎楡周平 『日本ゲートウェイ』(祥伝社、1870円)

最後は気分を変えてハッピーエンドのビジネス小説でも。舞台は日本橋の老舗百貨店。経営が先細り、メインバンクから追加融資も断られて、社長以下、追い詰められて話は始まります。
閉店して土地を売るか高層ビルを建てて大半をテナントに貸し出すか。あるいは。いろいろな登場人物が入り乱れ、社長よりも偉い(!)社長夫人の暗躍も絡んでの波乱万丈のストーリーは結構、楽しめます。
ゲートウェイというのは出入口のことですが、将来展望のなくなった日本にとっての明るい道筋とでもいうべきもので、インバウンド(外国人観光客)や地方の魅力的な物産などがゲートウェイにおいて重要な役割を果たします。
エンタメでありながら、じり貧の百貨店のみならず日本全体の活性化へ向けてのヒントを提供してくれる有益な作品として私は読みましたが、楽しみながら勉強になる本というところでしょうか。

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