「額に汗して働く」心の豊かさ【原田 康・目明き千人】2023年8月5日
国会で衆・参の国会議員が総理に代表質問をする。原稿は生成AIが作りこれを読む。答弁をする総理の原稿も生成AIが作ったものを読み上げる。これらの解説をする有識者の原稿も同様である。AIの先端技術による「生産性」をあげた成果である。この様に国の政策を決めるような重要な原稿をAIが書くという時代が来ている。国会議員も総理大臣も生成AIや秘書官が書いた原稿を読むのではなく自分の意見を国民に話すことである。メモを見ながら相手を見て話をするのと原稿を読むのでは全く印象が異なる。原稿を読むのでは政治家失格である。
どのような仕事でも額に汗して働き、長い苦労の成果が評価され"やった"という満足感が仕事をする原動力となる。これは皆さんも経験されている様にどのような仕事でも共通である。これが外からでも見えるのが農業である。
真冬の寒風の中での土作りから始まって種をまき、苗を育て、天候に合わせて生育の農作業をして、炎天下でも作物が悲鳴を上げていれば冷たい水をかける。現在はAIによるデータが送られてくるので農作業はずいぶん楽になった。天候や生育の状態がデータ化されたので農家はこれを分析して作業をロボットが自動操縦する農業機械や、上空からのドローンの操作によって農作業が出来るようになった。涼しい部屋の中での農作業である。
但し、野菜も果実も生き物である。作物が何を欲しがっているのか、追肥なのか、消毒か、水分なのかは矢張り経験のある農家が畑に行って直接見ることが必須事項である。
額に汗をかいて作物の面倒を見て、収穫時期になって広い田んぼが黄金色の稲穂でうずまり、畑のダイコンやハクサイが直列で並び、リンゴや桃が木いっぱいに大きく赤く実った姿を見る喜び、生成AIの時代に「他では味わうことのできない心の豊かさ」を味わうことが出来る。
(原田 康)
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