見事な愛犬の旅立ち【消費者の目・花ちゃん】2023年9月9日
「めい」は自動車に乗るのが好きな犬でした。窓から少し顔を出して風を受け、においを楽しんでいるようでした。初夏の田んぼの側道はお気に入りのドライブコースでした。窓の開け方を覚えて冬でもお構いなしに開けるので、冬は防寒着を着込んで運転しなければなりませんでした。しかし、齢を重ねるごとに足腰が弱ってきて、窓から顔を出すことも少なくなり、運転席と助手席の間のスペースが彼女の指定席になりました。
最初に異変に気が付いたのは、5月に一泊二日のドライブ旅行に出かけた時のことでした。旅先でもご飯を食べず、帰ってからもずっと寝ていたので心配しました。しかし、2日も経つとまた元に戻りましたので、8月に予定していた甲府の桃狩りは様子を見ながらということになりました。
めいが食事を全く食べなくなったのは桃狩りの4、5日前でした。加えて呼吸が荒らく動悸も早くなっていました。動物病院に連れて行くと、「加齢で心臓弁膜が緩んで血液が逆流し、身体に十分な酸素が行き渡らなくなっている。病院で預かってもいいが家族でゆっくりした時間を過ごしてはどうか。」と勧められました。私たち夫婦はめいとのお別れの時間が近づいていることを薄々感じていましたが、獣医さんの言葉で確信しました。
ご飯を食べなくなったら1、2週間で命は尽きるのだそうです。かろうじて飲んでいた水も次第に飲まなくなりました。私たち夫婦は交代でめいに付き添いました。週末には娘一家も駆けつけ、お別れを待っていたかのように、その夜めいは息を引き取りました。立派な最期でした。不思議にロスをそれほど感じなくて済んだのは、めいが老いや旅立つ過程を見せてくれたからだろうと思います。
(花ちゃん)
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