農家の営農を支援しよう【原田 康・目明き千人】2023年10月7日
今年の気候は9月中旬でも真夏の頃と同じような気温で、東京でも昼間の最高気温が32~34度の日が続いた。更に、新潟地方をはじめ全国の各地で大雨、集中豪雨があり、収穫の秋を迎えた田んぼや畑が池の様になりコメ、野菜、果実、畜産にも多大な被害が出てコメや野菜の収穫がゼロの農家も出ているという。
大型のスーパーマーケットの売り場に行くとコメをはじめいろいろな野菜、果実がきれいに並んでいて品質、数量、価格がつい手に取ってみるという商品である。これらはスーパー・マーケットのバックヤードで収穫をされた物ではない。並んでいる商品は全部農家が収穫をした物が流通の仕組みによって小売店の店頭にあるのだ。異常気象により農家の収穫がゼロとなっているような事態は大型の小売店の売り場からは想像もできない。
農家も生産をするのには改良された品種、最先端のAIの技術も取り入れてドローンによる空中からのデータ、さらに災害対策も含めた努力をしているが今年の夏、秋の異常気象は農業が自然との共存の産業であることを改めて教えてくれた。世界各地域の共通の現象でもある。
地球儀を改めて引っ張り出すような規模の食糧の生産、流通の混乱が起きている。他人ごとではない。有難いことであるが、3度の食事がとれるかを心配することはない。農家が生産し、流通の仕組みが有効に働き、小売店や食品の加工産業に届いているからである。
1日3度の食事の材料は農家が生産したものを出荷するところから始まる。農家が生産を続けるためには個別の品目ごとの価格も大切であるが、価格は需要と供給の中で大きく変動する。農家が生産を続けるためには個別品目の価格安定も必要であるが、安定した営農が出来る収入が必要である。野菜、果実、畜産物の価格が不安定な条件の下で農家が営農を継続し、収入を確保出来る政策が必要である。食糧の確保と自然を守るヨーロッパの各国では国民全体の賛同を得てこのような政策が実施されている。これは農家のためだけではなく、日本が東西に長い島国で、四季があり、列島の屋根の険しい山脈,林、田んぼ、農地、住宅地帯が共存している国土全体の安定が何より大切である。
難しい環境の専門的な理屈を並べなくても、皆さんは日本の自然を大切にしなければ普段の日常の生活が豊かに出来ないのは承知をしている。皆が納得の出来る分かりやすい政策が必要であろう。
(原田 康)
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