シンとんぼ(68) 食の安全とは(26)散布機具の洗浄ミスによる農薬残留22023年11月11日
令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まったシンとんぼは今、そもそも「食の安全」とは何かということの検証を試みている。
現在、農薬の使用上の人為的なミスにどのようなものがあるか検証しており、前回は散布機具の洗浄ミスの続きだ。
前回、「散布機具の中の農薬希釈液を全て排出させる」という手順を行わなかった場合のミスについて紹介した。今回はその次の手順、「散布機具に清水を通し、タンクやストレーナーからホース・ノズルに至るまでの希釈液が通る経路全てに清水を行き渡らせて洗浄した後に、散布機具の中の洗浄水を全て排出させる」という手順を行わなかった場合のミスを検証してみる。
手順を長ったらしく書いてしまったが、要は薬液が通過する全ての経路を洗浄したかどうかということである。
薬液が通過する経路の洗浄は、経路の中の希釈液を全て排出してしまったあとの方が洗浄効率も高くなるため、洗浄作業を行う前に、必ず全ての薬液が排出されていることを確認してから作業するように心がけてほしい。
というのも、希釈液を残したまま散布機具・ホースを放置した場合、希釈液が通過する経路に一部の薬剤がこびりついてしまうことがある。そのこびりついたままの散布機具を次の散布に使用すると、経路内にこびりついている薬剤が、次の希釈液に混じってしまうことがある。
この場合、次の散布の対象作物がこびりついていた薬剤の適用外であった場合、はからずも適用外使用となってしまう。
使用者にとっては、こびりついた薬剤を使用した意識はないので、「何で使ってもいないのに適用外の薬剤が検出されたのだろう?」となる可能性がある。こういったことを避けるためにも、洗浄の前に薬液の完全排出を必ずやるようにする必要がある。
この完全排出の際に盲点となりがちなのが、ストレーナーである。
ストレーナーとは動噴などの散布機の薬液通過経路の途中についているフィルターのようなもので、散布液に混じっている液体以外の固形物を取り除く役割をしているものだ。この固形物が曲者で、もしその正体が溶けきれなかった水和剤などの製剤だったりすると、ストレーナにべっとりとこびりついてしまっていることがある。
これを綺麗に洗浄しないで次の散布をすると、その次の散布薬液にストレーナーにこびりついていた以前の薬剤が混じり、前述と同様に適用外使用を誘発してしまう可能性がある。
なので、散布機具を洗浄する場合は必ずストレーナーを含めた経路の全てを綺麗に洗浄することを心がけ、その上で丁寧な洗浄を面倒くさがらずに最低3回は行うようにしてほしい。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2024年7月16日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年7月16日
-
30年目を迎えたパルシステムの予約登録米【熊野孝文・米マーケット情報】2024年7月16日
-
JA全農、ジェトロ、JFOODOが連携協定 日本産農畜産物の輸出拡大を推進2024年7月16日
-
藤原紀香がMC 新番組「紀香とゆる飲み」YouTubeで配信開始 JAタウン2024年7月16日
-
身の回りの国産大豆商品に注目「国産大豆商品発見コンクール」開催 JA全農2024年7月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鹿児島県で黒酢料理を堪能 JAタウン2024年7月16日
-
【役員人事】ジェイエイフーズおおいた(6月25日付)2024年7月16日
-
【人事異動】ジェイエイフーズおおいた(4月1日付)2024年7月16日
-
日清食品とJA全農「サプライチェーンイノベーション大賞」で優秀賞2024年7月16日
-
自然派Style ミルクの味わいがひろがる「にくきゅうアイスバー」新登場 コープ自然派2024年7月16日
-
熊本県にコメリパワー「山鹿店」28日に新規開店2024年7月16日
-
「いわて農業未来プロジェクト」岩手県産ブランドキャベツ「いわて春みどり」を支援開始2024年7月16日
-
北海道で農業×アルバイト×観光「農WORK(ノウワク)トリップ」開設2024年7月16日
-
水田用除草ロボット「SV01-2025」受注開始 ソルトフラッツ2024年7月16日
-
元気な地域づくりを目指す団体を資金面で応援 助成総額400万円 パルシステム神奈川2024年7月16日
-
環境と未来を学べる体験型イベント 小平と池袋で開催 生活クラブ2024年7月16日
-
ポーランドからの家きん肉等の一時輸入停止を解除 農水省2024年7月16日
-
JAタウンのショップ「ホクレン」北海道産メロンが当たる「野菜BOX」発売2024年7月16日
-
「野菜ソムリエサミット」7月度「青果部門」最高金賞2品など発表 日本野菜ソムリエ協会2024年7月16日