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シンとんぼ(83)食の安全とは(41)器具・容器包装からの溶出化学物質2024年3月9日

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令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まったシンとんぼは、前回から内閣府の食品安全員会が継続して実施している食品安全モニターに対する意識調査結果をもとに、食の安全に対する意識の変化を探っている。調査には15個(2022年度)の“食品の安全性の観点から感じるハザード(不安要因)”みついて、モニターの方が不安を感じるかどうかをハザードごとに調査した結果が示されている。前回までに2004年の8個の調査項目を紹介したが、2007年の調査では、これらに「ゲノム編集食品」、「器具・容器包装からの溶出化学物質」、「肥料・飼料等」の3つが加わった。これらは、2004年以降に発生した新たな事件(?)の発生に伴い、新たなハザードとして認識されたものだ。今回は「器具・容器包装からの溶出化学物質」を紹介する。

このハザードは、追加された2007年に13.8%を示したものが徐々に減少し、5年後の2012年には10.8%、さらに5年後の2017年に7.7%、直近の2022年でも10.0%と、このハザードも、近年は1割前後で落ち着いているようだ。

「器具・容器包装からの溶出化学物質」とは、器具・容器包装の原料であるプラスチックから溶出したものを指す。食品が販売される時には、プラスティックトレーや容器、PETボトルなどが使用されているが、これらから化学物質が溶出しており、その物質の安全性が問われているわけだ。例えば、PETボトルは、原料モノマーと呼ばれるビスヒドロキシエチルテレフタル酸を重合させて作るが、その製造の過程で、未反応のモノマーや触媒、添加剤、原料中の不純物、製造工程における副生成物や分解物などの様々な化学物質が含有される可能性がある。

PETボトルから溶出する物質は、触媒としてのチタンやゲルマニウムなどの金属類やアセトアルデヒドなどの揮発性物質などであるが、これらは毒性デーが判明しているので、それらの溶出量を調査することで溶出化学物質の安全性を評価できる。このため、国の機関などで調査が進められ、データの蓄積もあるようだ。ただ、ご多分に漏れず、未知なる物質が溶出している可能性が否定できず、ここでも、未知なるものへの恐怖が不安に感じる要素となっているようだ。

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