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おにぎりはコメ消費拡大の起爆剤になるのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2024年3月19日

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農水省に新年度のコメ消費拡大対策をどう行うのか取材に行った際、消費者の部屋で「おにぎりアイデアグランプリ」の展示会が行われているというので覗いてみた。北別館1階にある消費者の部屋に入ると左側一面に大きなおにぎりのイラストとともにグランプリ受賞作品3作品が紹介されていた。これらの受賞作品は東京駅などのJRの駅でおにぎりのテイクアウト店を展開している「ほんのり屋」で実際に商品化して販売されることになっている。

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おにぎりアイデアグランプリを開催したのは(株)ヴィレッジヴァンガードで、消費者の部屋も「特別展示ヴィレッジヴァンガード霞が関店」と銘打ってある。この会社、輸入雑貨の販売会社で農業との接点がどこにあるのかわからなかったので、店舗に来ていた事業開発部の課長さんに聞いてみると「Z世代に日本の農と食の現状を知ってもらう」ことを狙いしたとのことで、全国に307店舗あるうちの50店舗が参加して日本全国フードシャウトを開催しており、職員が描いた食や農に関するイラストが部屋のあちこちにところせましと張り付けてある。店舗の中には「米フェス」と題してコメのことを歌にして店舗で流すということを行った店舗や食にまつわるグッズを販売した店舗もあった。

おにぎりアイデアグランプリは、フードシャウトの一環として開催されたものでおよそ100作品が応募され、その中から3作品が受賞した。賞の名前もユニークで、オニキで賞(ヴィレッジヴァンガードの職員と来店者で選んだ)が「国産鶏のオムライスボール」、シフトで賞(農水省のZ世代の選んだフードシフトに貢献するおにぎり)が「小倉おにぎり」、みんな好きで賞(おむすび専門店ほんのり屋視点)が「焼き鯖のバジルおにぎり」。応募要領には奇想天外なアイデアで日本の食と農を応援と書かれていただけあって、壁に貼り付けてあった応募作品の中には本当に作ったらどんな味がするのか?と思うような不思議なおにぎりもあった。

おにぎりを主役にしたイベントでは、一般社団法人おにぎり協会が大手町で開催した「究極のおにぎりを世界に発信する『おにぎりサミット』」が大掛かりであった。グリーンセッションでは、パナソニック、アラスカシーフードマーケティング協会、東洋アルミエコープロダクツ、スポーツ・教育セッションでは、一般社団法人食アスリート協会、クレハ、帝人、日本体育大学、女性セッションでは、おにぎり大塚ぼんご、TAROTOKYOONIGIRI、おにぎり神谷、旅するおむすび屋の女性店主が登壇、それぞれおにぎりに対する思いを熱く語った。ビジネスセッションでは、ローソンがコメ、海苔、塩、具材すべてを厳選したおにぎりを販売、さらにおにぎりの成形にもこだわり、新たな企画として「日本のおにぎり巡り」と銘打った販促イベント行うことや、神明はTAROTOKYOONIGIRIと一緒に海外店舗展開を行うなど、年内に日本米8000tを輸出するとした。

また、おにぎりと関連するコメや具材を産出する7自治体(新潟県村上市、新潟県南魚沼市、富山県魚津市、埼玉県深谷市、和歌山県みなべ町、愛媛県今治市、福岡県柳川市)の首長が出席し、自産地の特産物を紹介するとともに「おにぎりを通じたまちづくり推進」を進めていくことの署名式を行った。

メインイベントとしてコンビニ各社にアンケート調査した「おにぎり最新人気調査トレンド」や2024年のおにぎりのトレンドを予測する「おにぎりトレンド」、各市町がこだわりの食材を持ち寄って作成した「サミット究極のおにぎり」を披露した。

人気のおにぎり店をネットで検索してみると「一度は食べてみたいおにぎり専門店5選」としてぼんご(大塚)、宿六(浅草)、おにぎり屋丸豊(築地)、飯塚精米店(学芸大前)、米屋のおにぎり屋菊太屋米穀店(新宿)が紹介されていた。米屋が始めたおにぎり店が2店入っており、コメのおいしさの適性を知るプロならではランクイン。米屋が始めたおにぎりやと言えば草分け的存在で、フランチャイズ展開もしている会社があり、そこのオーナーは毎朝ブログを十数年に渡って書き続けている。そのブログの中に以下のようなことが書いてあった。

「国内生産で賄えるお米を食べてください。朝は、パン食からごはん食にしてください。国民1人、1日、おむすび1個(100g)食べてくれたら問題解決します。それだけで一気にコメ不足になります。仮説1億人として1人1日ごはん100g(白米50g)消費増やすと50g×365日×1億=182万5千トン玄米換算200万トンになります」

おにぎりサミットには農水省でコメ消費拡大を担当する責任者も来ていた。新年度のコメ消費拡大の対策を聞いたところ「出来ることは何でもやる」とシャウト(叫んだ)した。

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