シンとんぼ(86)食の安全とは(44)肥料・飼料等2024年3月23日
令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まったシンとんぼは、前回までに内閣府の食品安全員会が継続して実施している食品安全モニターに対する意識調査結果をもとに、食の安全に対する意識の変化を探ってきた。
この意識の変化を探る指標となるものは、 "食品の安全性の観点から感じるハザード(不安要因)"で、それらは食の安全に関する事件や事故、世相に応じて変化していた。ただその中でも、食品添加物や農薬、遺伝子組換え食品、いわゆる健康食品など、庶民が口にする機会が多いと考えられるものは、当然ながら常にハザード対象として意識されていた。
この不安を感じる要因は、自身の健康に影響を及ぼすのか否かがベースにあり、「あなたの健康に被害を及ぼすものではありませんよ」と"信頼のおける形"で証明できれば不安は解消される。
食の安全の場合、この信頼がおけるかどうかというのが特に問題で、どんなに正しくて数・量ともに十分な情報が発信されていても、それが、受け取り側が信頼していない情報元からの発信であれば、残念ながら信頼されることはないだろう。その場合、正しい情報を発信するだけでなく、いかに信頼されるかという一番やっかいなミッションが加わってしまう。
この傾向は、インターネットが普及し情報がありすぎる現代においては、情報量に反比例するかのように正しい判断がしづらくなっているのは間違いない。情報が多ければ多いほど、何を信じたらいいのかわかりづらく、最後には「信じるも信じないもあなた次第」と都市伝説的になっているのではなかろうか?
なので、何にしろ100%の国民に理解してもらうことは求めず、少なからず反対分子は居続けることを前提にして、信用してもらえる割合が少しでも増えてくれたらいいやと思うぐらいが丁度よいかもしれない。その上で、行政、報道、業界関係者が共通の意識を持って、正しい情報を発信し続け、信頼を獲得するよう努力を続ける必要があると思う。
特に、影響力の大きな発信元である行政や報道機関は、偏らない正しい情報を正しく伝える姿勢を貫き、もし誤りが判明したら速やかに訂正し、誤解があったことを丁寧に伝える義務がある。
一般にどんな組織も間違いを認めたがらないもだが、報道機関等影響力が大きい機関ほど、誤りが判明したら速やかに誤報を認め、徹底して誤解を解く姿勢を示してほしい。誤った情報によって甚大な損害を受けた人がいたとしたらなおさらで、責任が自身に及ぶことを恐れず誤報の訂正にはより積極的に行ってほしい。そちらの方がかえって国民の信頼を得る正しいやり方だとシンとんぼは思う。
重要な記事
最新の記事
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(2)今後を見据えた農協の取り組み 営農黒字化シフトへ2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(3)水田に土砂、生活困惑2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(4)自給運動は農協運動2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(1)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(2)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(3)2025年1月23日
-
元気な地域をみんなの力で 第70回JA全国女性大会2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(1)新しい仲間との出会い 次世代へつなげるバトン 青森県 JA八戸女性部 坂本順子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(2)この地域を、次世代に繋ぐ、私たち 山梨県 JA南アルプス市女性部 保坂美紀子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(3)私たちの力で地域をささえ愛 愛知県 JA愛知東女性部 小山彩さん2025年1月23日
-
旧正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第325回2025年1月23日
-
地元産米を毎月お届け 「お米サポート」スタート JAいずみの2025年1月23日
-
定着するか賃金引上げ 2025春闘スタート 鍵は価格転嫁2025年1月23日
-
鳥インフル 米アイオワ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
鳥インフル 英シュロップシャー州、クルイド州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
スーパー売り上げ、過去最高 野菜・米の価格影響 「米不足再来」への懸念も2025年1月23日
-
福島県産「あんぽ柿」都内レストランでオリジナルメニュー 24日から提供 JA全農福島2025年1月23日
-
主要病虫害に強い緑茶用新品種「かなえまる」標準作業手順書を公開 農研機構2025年1月23日
-
次世代シーケンサー用いた外来DNA検出法解析ツール「GenEditScan」公開 農研機構2025年1月23日
-
りんご栽培と農業の未来を考える「2025いいづなリンゴフォーラム」開催 長野県飯綱町2025年1月23日