敬意持ち学ぶ大切さ【消費者の目・花ちゃん】2024年4月13日
私が就職した時、その方は私に大言海という辞書をプレゼントしてくれました。当時はネットオークションサイトなどという便利なものはなく、古本屋に何度も足を運んでやっと手に入れてくださったもので、索引は欠けていましたが、4冊のセットでした。装丁も趣があって、一目で気に入りました。その方は、「これがプレゼントしたかったのだよ」とおっしゃってうれしそうに笑っていました。
私よりも31歳年上でしたが、先輩風を吹かせたりすることはなく、誰に対しても相手への尊敬を忘れず、礼を尽くす方でした。無条件に信頼することの大切さを学んだのもこの方からでした。囲碁が強く、私がやりたいというと手ほどきをしてくれました。年の差など関係なく、碁盤を挟んで頭がしびれるほど向き合いました。
私が自分の仕事や出張先の話をすると、「面白いね」と言いながら興味深そうに聞いていました。相手の年齢など関係なく、自分が知らないことは好奇心を持って聴いてくれるので、話にもついつい熱が入ってしまいます。万葉集や俳句にも造詣が深い方でしたが、非常に謙虚で、「上には上がいる」「誰とでもお互いに学びあえる」が口癖でした。
人間はともすると自分の価値観が正しいと思い込んでしまいがちです。かつての私も相手の意見が耳に入らないところがありました。しかし、自分の無知や相手への敬意の大切さに気が付かせてもらったおかげで、自分とは違う考えも尊重できるようになった気がします。今の若い世代は私が知らないことをたくさん知っています。しっかりした考えかたの方もいます。年齢にとらわれずその人となりを正しく見て、お互いに学びあえる関係を作っていきたいと思っています。
(花ちゃん)
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