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リスク増大で危ぶまれる新米取引会【熊野孝文・米マーケット情報】2024年5月21日

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先週末、米穀業者が集まり新米取引会をどうするか協議された。協議内容は、取引会の日程や他の組織との共同開催を行うか否かと言った点であったが、出席者からはさまざまな意見が出て決定するまでかなりの時間を要した。これは現在のような異常とも言える市中価格の高騰を経験したことがない米穀業者も増え、取引会を開催すること事態のリスクにどう対処すべきなのかという点も不安要素になっている。

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「コメを扱う仕事に付いて20年になりますが、こんな経験をするのは初めてですよ」と参加者の一人が言う。確かに平成5年のコメパニックからすでに30年を経過しており、この年に何があったのか経験していない米穀業者も増えている。米穀業者だけでなく、生産者や行政の担当者も同じである。平成5年のコメパニックは、5年産米の凶作が原因と捉えられているが、それは表面的な見方で、実際は人為的に引き起こされたコメ不足であった。それ以上に問題なのは莫大な予算と人員をつぎ込んで食管法という法律まであったのにそれらは何の役にも立たなかった。

現在も法律の名前は変わったが、その中にはちゃんと主要食糧の安定供給が謳われている。安定供給が確保されている状況なのか否かコメの流通業者や実需者にアンケート調査を実施したらどうだろう。すでに量販店等の中には一部銘柄について「原料米不足により販売を終了しました」というポップを出すところも出始めた。需給データを良く分析している米穀業者の中には今年6月末の民間在庫を158万tになると試算している業者もいる。農水省が米穀年度末と位置付ける6月末の民間在庫は180万tが適正在庫でこれを下回るとタイト化する傾向があるが、160万t以下は端境期を乗り切るにはかなり危険な数量だと言える。農水省としても今更5年産米の生産量を修正するわけにはいかないので、需給には問題がないと言い続けるしかない。

平成5年産米は作況指数74の凶作であったが、トータルの生産量は789万t穫れていた。面白いのは北海道で作況指数40の大凶作で10アール当たりの生産量は203kg、総生産量は35万7,000tと公表された。ところが検査数量は最終的に40万tを超え、商品化された数量が生産量を上回るという珍現象となった。大規模に統計調査を行っているところがないので農水省の統計データを信じるしかないが、公表されるデータにはこうした側面もあることを理解していた方が良い。5年産の生産量が本当はどうだったのか、検査数量を見る限り極端な落ち込みはない。ただし、検査数量だけでは精米歩合はわからないが機械検査のデータが公表されている。それによると容積重(1リットル当たりの玄米の重さ)は826gで、4年産を13g、率にして1.5%下回っている。また、白未熟粒の割合は5%もあり、4年産の2倍以上になっている。こうしたデータから精米歩合が「2%以上落ちる」という卸の言うことも頷ける。やはり商品化率がかなり落ちていることも現在のひっ迫感に拍車をかけている一つの要因になっている。

15日に開催されたクリスタルライスの取引会では56産地銘柄3万0、834俵が売り物として提示された。売り物の総数は前回の半分以下だが、事前の予想では売り物が出ない産地が増えると言われていたことからすれば、

良く3万俵も上場できたと言えなくもないが、卸が取引する量としては少な過ぎる。加重平均価格は2万3,808円で前回(3月1日)に比べ33%値上がりしている。主な銘柄の値上がり額は北海道ななつぼしが5,500円~6,200円、青森まっしぐら5,800円、宮城ひとめぼれ5,550円~6,400円、秋田あきたこまち6,300円~6,400円、山形つや姫9,000円~9,500円、はえぬき6,600円~9,000円、福島会津コシヒカリ6,500円~6,600円、茨城コシヒカリ6,700円~7,650円、魚沼コシヒカリ5,300円~5,800円、新潟コシヒカリ5,100円~5,500円と言った具合で、同じ産地銘柄であっても売り唱え価格に1,000円から2,000円もの開きがある。それだけ相場の位どころが掴めなくなっていることの現れだが、下値は大幅に値上がりしており、どのような銘柄米であっても検査物は2万3,000円以下で買えるものはなくなった。それだけでなく全国銘柄の秋田あきたこまちなどは売り唱え価格の500円上を指値したにも関わらず、落札できなかったものもある。

クリスタルライスは例年7月の取引会で、南九州の早場米や秋田あきたこまちを先渡し条件で収穫前に取引して成約価格を公表していたが、今年はそうした取引を行わない可能性もあり、行っても相対取引という形で成約価格を公表しない可能性もある。

冒頭の米穀業者の集まりでは、新米取引会は取引が出来るか否かよりも情報交換が大切だという意見が出て8月第一週に開催されることになった。

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