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【スマート農業の風】(4)データ駆動型農業あれこれ2024年5月30日

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 前回は、自然現象にもとづく農事暦や気象情報を利用した簡易なデータ駆動型農業について触れた。今回は、ドローンや人工衛星画像、AI診断などから農作物の状態を知る最新のデータ駆動型農業を紹介する。

スマート農業の風

人工衛星やドローンを使ったデータ駆動型農業の例(リモートセンシングによる作物診断)

人工衛星の一般的な活用方法と言えば、天気予報に用いられる気象衛星画像、カーナビやスマートフォンなどのGPSが思い当たる。だが、農業現場でも次々と新しい技術が導入され、人工衛星やドローンによるリモートセンシングを活用した生育診断技術が注目を集めている。診断項目や精度はサービスにより異なるが、いずれも生育診断結果を収量アップ、品質安定、倒伏回避などに結びつけることを目的としている。

人工衛星を使ったリモートセンシングサービス

人工衛星を使ったリモートセンシングサービスは、人工衛星画像を独自に解析し、水稲であれば葉色、穂水分、玄米タンパク含量といった生産現場になじみのある指標に変換して診断をする。Z-GISや地図ソフトなどのシステム上でほ場ポリゴンを作成し、診断希望日を指定してWebサイトにアップロードすると解析が依頼できる。結果は、ほ場ごとの色分け(ヒートマップ)で表示され、穂水分であれば、乾いているところ、まだ乾いていないところなどを見分けることができ、これを参考に刈り取り日を決めることができる。北海道のあるJAでは、この情報をもとに刈り取りタイミングを生産者と共有し、収穫作業に役立てている。ほかにも、葉色を診断し、追肥の目安にするなど活用方法は様々ある。

ドローンによるリモートセンシング

ドローンによるリモートセンシングは、特殊なカメラを装着したドローンにより撮影した画像を解析する。撮影に必要なカメラを有したドローンを所有していれば、そのデータから解析が可能で、手持ちのドローンがない場合も、メーカーが撮影を受託している場合もある。ドローンセンシングは、高度な解析により、1mメッシュのNDVI(正規化植生指数)・植被率のマップとともに、ほ場ごとのNDVI・植被率の平均値・ばらつきを診断する。解析結果は、リモートセンシング用のアプリケーションからダウンロードが可能で、施肥の判断・倒伏診断に活用する。

ザルビオフィールドマネージャー

ザルビオフィールドマネージャー(BASFデジタルファーミング・全農)はAIを活用した栽培支援システムで、水稲・大豆・麦の生育予測、病害・雑草防除の支援を行う。その機能の一つに、人工衛星を利用した「植生マップ」があり、登録したほ場の植生解析結果を経時的に把握することができる。つまり、ほ場の中の生育状況がヒートマップで確認でき、生育の良いところ、悪いところをわかりやすく表示してくれる。これらは、追肥タイミングや追肥量などの判断材料として利用できる。また、植生マップから可変施肥マップを作成することも可能で、翌年の肥料散布(田植え同時可変施肥田植え機や可変施肥が可能なブロードキャスター)に活用できる。これらに加え、ザルビオフィールドマネージャーは、ほ場ごとに入力した品種、田植え日の情報から、生育ステージ(幼穂形成期、穂ばらみ期、乳熟期等)を表示する。いままでは、ほ場ごとに調査をおこない生育ステージを確認していたが、ザルビオフィールドマネージャーを導入することで調査の労力を軽減できる可能性がある。

もちろん、これらのサービスを導入するためにはコストがかかる。しかし、管理ほ場数が増え、ひとりで担当するほ場数が多くなった近年の農業経営では、的確な生育判断や労力軽減のためのコスト増はやむを得ない。今回紹介したサービスは、費用対効果を考慮すると、比較的安価に提供されている。

いままでの農作業とこれからの農作業

いままでの農作業は、自分のほ場を自分の目で見ながら、経験則や営農指導員などの助言をもとに様々な判断をおこなってきた。車の運転に例えるなら、人に教えてもらった情報から手書きの地図で目的地に向かうようなものだ。今回紹介した新しい営農支援システムは、現在の車の運転のようにスマホの地図やカーナビを見ながら目的地に向かうように、判断をゆだねることができる農作業と言えるかもしれない。

生育ステージは、経験則だけでは判断が難しく、現地調査をおこなう必要があった。これに対し、最新の技術・情報を使ったデータ駆動型農業の一例、ザルビオフィールドマネージャーを使えば、ほ場を登録し、最小限の情報(田植え日・品種、苗の状態など)を登録するだけで、AIが生育ステージを予測し、防除なども提案してくれる。アプリケーションが農作業をおこなう上で必要な情報を適切なタイミングで提示してくれるのだ。ただこれらを使う生産者も、この情報をそのまま使うのではなく、現場の状態を見ながら、自分の経験則を加えることで、より適切なデータ駆動型農業が実現できるのではないか。

データ駆動型農業は、自然現象にもとづく農事暦や気象情報から導く判断に加え、ドローンや人工衛星情報、AI診断など新しい技術を駆使して取り組む、新しい農業の形と言える。

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