シンとんぼ(103) -みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(13)-2024年7月20日
シンとんぼは令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まり、みどり戦略の大義である「安全な食糧を安定的に確保する」を実現するために、現場は何をすべきなのかを、同戦略のKPIとその有効性や今後の農業に与える影響などをひととおり検証しながら考察を加えてきた。そして行きついたシンとんぼなりの結論が、現在ある技術を正しく活用すれば、新たな技術開発やイノベーションを待たずとも、みどり戦略の大義は達成可能だろうということだった。そこで、みどり戦略対応のために農業現場はどう動くべきなのかの持論を展開しており、現在は有機農業の取組面積拡大をテーマに、有機農業拡大に関するKPIを実現するための「次世代有機農業に関する技術」のうち、前回、2040~2050年までに確立するとしている技術の1つである「⑧先端的な物理的手法や生物学的手法を駆使した害虫防除技術」のうち、「青色半導体レーザー光」を利用した技術を紹介したが、その続きでもう少し言いたいことがある。
それは、この技術紹介の中に、「この技術で漏れた害虫は他の方法で防除を行う」と書かれていた点だ。前回も述べたが、花の中や芽の基部などに隠れている害虫を見つけて青色レーザー光で退治することは難しいと予想され、微小害虫のほとんどが作物の影に隠れている現状を考えると、微小害虫の多くが青色レーザーの攻撃から逃れてしまうことになるだろう。 そうすると、青色レーザーを使用する・しないに関わらず、微小害虫防除に関しては他の防除法に頼るしかないことになるのではないだろうか? そうなると、微小害虫目的では高いコストをかけて青色レーザー発射装置を導入する意味など無くなるのではないだろうか? 是非ともその辺をどのように考えているのか教えて欲しいものだ。ひょっとしたら、シンとんぼの懸念を払しょくする凄い技術が隠されているのかもしれない。その場合は無知なシンとんぼをどうかお許し下さい。
ただ、広い生産圃場をくまなく回って青色レーザー光を発射し続けて微小害虫をやっつけることができるマシンってどう考えても高価なものになるだろうし、導入費用をペイできる作物はごく少ないか全く無いかもしれない。そうなるともともと高コストの有機農業をさらにコスト高にしてしまい有機農業の拡大に水を差すことになりはしないだろうか? 新技術はもちろん素晴らしいが、できれば導入後のコストももう少し考えてほしいと願うのはシンとんぼだけだろうか?
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