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(401)最後の藁【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年9月13日

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文明の利器のおかげで生活は楽になった反面、時々ふと、進歩ではなく退化しているのではないかと思う時があります。

 大学の研究者が所属している学外組織に学会がある。当然だが学会も組織である以上、運営には一定のコストがかかり、会員が会費の形で負担している。筆者の場合、学会の年会費は1学会で概ね1万円程度、これがいくつかある。

 この費用の支払い方法だが、かつては郵送で請求書が届き、それを郵便局や銀行で支払っていた。領収書を受け取り、研究費で落とす場合には領収書を添付して所属機関で経費請求をする...というのがアナログの流れである。

 実は学会も10年程前から急速に電子化されてきた。先日もある学会から年会費が支払われていない旨のメールが届いた。会費支払は基本、自分で管理しなければならない。

 ホームページからログインして支払い記録を見る。確かに未払いのため請求書を印刷する。次に支払い方法を選択し、クレジット・カードで支払を済ませる。支払いが済むと領収書が印刷可能になるため、自分で印刷する。全てセルフだ。これらの後に、大学のシステムに入り経費申請を行う。必要項目を入力した後、実は今でも請求書・領収書・内部の申請書(のようなもの)を印刷して担当部局に提出する。内容が問題なければ後日、自分の予算から申請額が引き落とされ、指定口座に振り込まれる...という訳だ。

 未払いのメールが届いてから一連の作業をして担当事務に書類を持参するまで早ければ510分で済むのは確かにありがたい。学会と大学とは組織が異なるため、そこの決済インターフェイスはまだアナログのままだが、これは仕方ない。 

 会費に限らず備品や消耗品、旅費なども基本、同様である。こうした作業は1件で済めば良いが、溜めると半日くらいが瞬く間に過ぎる。授業の無いときは良いが、学期中に溜まると悲惨である。唯一の救いはシステムが24時間使えることくらいだ。黙々と作業するしかない。これで良いのかと思いつつも...、作業は考える時間を与えてはくれない。

 自分自身は前職の時からそれなりに鍛えられ、ようやく楽ができるようになった頃、現在の仕事に移った。細かい作業手順はまた全て最初からであり、何年経過しても作業故に知的熟練とはほど遠く、量だけが増加する。ちなみに部下はいない。多分、現代の大学で専属の秘書やアシスタントが付く方は相当恵まれている立場であり、教員は基本、一人親方の世界である。

 仕事を続ける限り、全て自分でやらなければならない。このコラムのタイトルではないが、はるか世界の動向をグローバルな視点で考えつつ、足元のローカルな経費精算を日々こなす。脳細胞はストレッチとシュリンクを繰り返す。仕事をすればするほど増大する文書作成と経費精算作業との闘いが続く。ある時点を超え、こうした作業が就業時間の大半を占めるようになると完全に本末転倒である。

 古典的な流通論の世界では卸売業者の機能として、錯綜した物流・商流が整理されることを学ぶ。だが、個人がダイレクトに不特定多数とつながる現代社会では、卸売業者に相当する機能は優秀な秘書やアシスタントでもいない限り無理な話である。各自の許容限界は自ら判断して決めるしかない。「最後の藁(わら)」のたとえ話が時折ふと浮かぶ。

 それにしても、こうした環境の中で判断が早い人というのはどこかでかなりの部分をザクっと削除して意思決定していると思わざるを得ない。本当は削除された対象の中に貴重な原石や重要な情報があるかもしれないが、それを見る余裕すらないのは残念な限りである。

* *

何とかぼやきながら、本日もとりあえず無事終了です!

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