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銀は切り花の万能長寿薬ではなかった【花づくりの現場から 宇田明】第45回2024年10月17日

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STS(銀錯塩)を吸わせることで、老化ホルモンであるエチレンの生成と活性を抑制し、切り花の寿命を劇的にのばすことができます。
STSは、処理が簡単で確実に効果が得られるため、1990年前後には世界中に普及しました。
花産業は、STSの普及で夢の不老長寿薬を手に入れたと大喜びしました。
では、切り花はSTSの出荷前処理で、すべて長寿になったのでしょうか。
残念ながら、こたえは「否」です。

STSは切り花の長寿薬ですが、万能ではありませんでした。
STSは、カーネーションの花弁の萎凋を抑え、スイートピーやデルフィニウムの落花を防ぐなど、特定の切り花には劇的な効果を示しましたが、まったく反応しない花も多数ありました。
これらは、エチレンに対する感受性が低いことがわかりました。
エチレンは老化ホルモンですが、すべての花がエチレンで老化が促進されるわけではありません。

花コラム45表(宇田).jpg

内外の研究データから、切り花のエチレン感受性をまとめると表のようになります。
エチレン感受性が高い切り花は、エチレンに敏感で一挙に老化がすすむので、STSの効果が高いと考えられています。
流通している約1,000種類の切り花のうちエチレン感受性が高いのは、カーネーション、カスミソウ、スイートピー、デルフィニウムなどに限られます。
一方、キク、ガーベラ、ダリア、ヒマワリなどのキク科やユリ科の切り花は、エチレン感受性が低く、STSを使用しても日持ちがのびません。
バラは感受性が「やや高い」にもかかわらず、STSの効果はありません。
反対に、キクは感受性が低く、STSは花には効果がありませんが、葉の黄変はある程度防ぐことができます。

STSを発見したVeenがカーネーションを材料にSTSの効果を実験したことは、Veen自身にも世界の花産業にとっても幸運でした。
カーネーションはエチレンにもっとも感受性が高い切り花でしたので、STSの劇的な長寿効果が得られました。
カーネーションが選ばれた理由は、世界的に生産が多く、均一な実験材料が手に入れやすかったためと考えられますが、もしVeenがキクやバラで実験をしていたら、STSの効果は発見されていなかったかもしれません。

STSの発見以後、多くのエチレン生成・活性抑制剤が発表されています。
AOA(アミノオキシ酢酸)、AVG(アミノエトキシビニルグリシン)、AIB(アミノイソ酪酸)などです。
1-MCP(1-メチルシクロプロペン;商品名スマートフレッシュ)は、リンゴ、カキ、ナシ、バナナ、キウイなどの収穫果実の熟期抑制蒸散剤として市販されています。
それらをSTSと比べると、価格が高く、効果がシャープではないために、切り花では実用化されていません。

では、STSが効かない切り花の日持ちをのばすにはどうすればよいのでしょうか。
切り花の日持ちの終了は、生物としての死ではなく、消費者が観賞価値がなくなったと主観的に判断した時です。
観賞価値がなくなる要因には、「老化」以外に「病気」、「栄養不良」、「環境」、「事故」があります。
切り花の長寿には、これらの総合的な対策が必要です。

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