シンとんぼ(115) -改正食料・農業・農村基本法(1)-2024年10月26日
シンとんぼは、令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まり、食の安全や「みどりの食料システム法の正しい理解と正しい対応方法」などに関して持論を展開してきた。その奥には、農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願っている。
ところで、皆さんは既に食料・農業・農村基本法の一部が改正され、令和6年6月5日に交付・施行されたことをご存知かと思う。同法は平成11年7月に公布・施行されて以来、食料・農業・農村基本計画とともに農政の根幹をなしてきたものであるが、その内容って、きちんと農業者や農業現場や農産物流通に携わる人々に正しく浸透し理解されているのだろうか?とふと疑問に思った。そう思ったシンとんぼも実はその内容を深く理解していないのに気付いて反省している。特に基本計画には、計画どおり達成できていれば農業・農村が大きく変わったであろうという内容のものも少なくないようだ。
なのでシンとんぼは、法改正をきっかけにして、食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのかを考えてみようと思う。
それでは、まずは法の目的が書かれた第一条からはじめよう。改正法の第一条の条文は「この法律は、食料、農業及び農村に関する施策について、食料安全保障の確保等の基本理念及びその実現を図るのに基本となる事項を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図ることを目的とする。」と記されている。
改正前の条文と異なるのは、「食料安全保障の確保等」が追加されたことだ。この言葉の定義は「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる状態」と第二条に記されている。「食料安保に国を挙げて取り組むぞ!」との意思表示だと思うので、より具体化されていくのを今から楽しみにしているのだが、とても気になるキーワードがある。それは、「食料の合理的な価格」と「食料の安定供給」の2つである。
特に前者は、生産資材や燃料代が高騰して生産費が高騰する中、生産費の上昇分を農産物価格に転嫁できずに再生産できない価格で泣き寝入りしている生産者が現実に存在することからすると、一刻も早く実現してほしいところだ。次回、この2つのキーワードに対する現段階の国の考えを確認してみようと思う。
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