シンとんぼ(131)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年3月1日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項についてして持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのかを思案を巡らせている。実際の具体的な内容については来年3月に出される予定の「食料・農業・農村基本計画」で明らかとなるだろうから、詳細の検討は後に行うこととし、まずは改正法から国の考え方の方向性を探っていこうと思い、条文の理解を進めている。
今回は第十一条を掘り下げてみようと思う。
この条文は、旧法の第十条で「食品産業の事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、国民に対する食料の供給が図られるよう努めるものとする。」と基本理念にのっとって「国民に対する食料の供給が図られるよう努める」となっていたものが、新法の第十一条 では、「食品産業の事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする。」と「基本理念の実現に主体的に取り組む」よう努めるものとすると少し強めの表現に変わっている。
この新法の第十一条が食品産業の事業者に求めている基本理念とは、「食料安全保障の観点からの食料の安定供給と食料の合理的な価格の形成」を指していると考えられ、食料安全保障の面についても、食料産業の事業者に積極的に関わらなければならないと言っているのと同義のようだ。
令和の米騒動でも問題となったが、食品の不当な値段のつり上げや出し惜しみなどを防ぐ意味で加筆されているように考えられ、どこまで国の指導力が発揮されるのか楽しみな部分でもある。
これも基本計画にどのような現状に合わせた具体策が盛り込まれるのが重要なので、責任をもって実効性のあがる具体策が盛り込まれることを期待したい。
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