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「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日

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「農家に補償を/所得の補償を/欧米並みの/所得の補償を」で始まるコールを繰り返しながら、「令和の百姓一揆」を象徴するトラクターデモが3月30日東京都内で行われた。

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大いなる変革への呼びかけ

 「農を破綻から守る大きな連携を創り出したいと思う」で始まる菅野芳秀氏(実行委員会代表・山形県長井市の農家)の呼びかけ文は、「弱り続ける自作農の現状から言って我々には時間がない。農の危機は、人々の食の危機、いのちの危機につながっていく」と続き、「農の再建への幅広い連携」「人々の、いのちの危機を回避するための大連携」「農と人々との確かなつながりを創り出す、大いなる変革」の必要性を訴える。
 実行委員会による最終的な報告によれば、参加トラクター30台、参加者(沿道参加者も含む)約4500名、さらに、富山や奈良、沖縄など全国14カ所でもデモが行われた。
 間違いなく実行委員会の呼びかけは、日本中に届いたはずである。届いたからこそ、当コラムも参加した。

我々には時間がない

 西日本新聞(3月31日付)によれば、菅野氏が暮らす集落は団塊世代の多くが引退し、50年前に34戸あった農家は7戸にまで減り、耕作地も3割超減った。この状況を氏は「洪水のように離農している」と表現し、10年後には営農が途絶える危機感を抱いている。もちろん菅野家の農業も「家族経営で減農薬米や放し飼いの鶏卵を消費者に直販する。コメの乾燥機が故障した数年前、40代の息子が『もう、やめようか』とこぼした。昨夏から高騰する米価の先行きは不透明で、投資や規模拡大に値する未来が見いだせない」状況で、決して順風満帆ではない。
 呼びかけ文の「弱り続ける自作農の現状から言って我々には時間がない」は、誠に切実な叫びでもある。
 その叫びは、参加した農家の「地域の稲作は疲弊している。消費者と一緒に考える運動を続けたい」(アイガモ農法でコメと麦を栽培する福岡県大木町から)、「農産物は安すぎる。農家は守られていない」(長崎県五島市の実家のトラクターを運転。茨城県から)と言った声からも伝わってくる。

何かあったらよろしくというなら虫が良すぎる

 東京新聞(4月2日付)は、デモと遭遇した人たちの反応を伝えている。
「マジで?」(西麻布で、ヨガに行く女性・20)
「パン食ですし。野菜も別に...」(広尾駅付近でバゲットを抱えていた女性・32)
「妹が農家に嫁いだ。農家をやめる、やめないでいつももめている」(女性・53)
「絶対に見に行かなきゃって。東京の人こそ自分事。農家の窮状を知ってほしい」(新潟から出張中の女性・39)
「安心して食べられる世の中になってほしい」(家族3人で見に来た方・50)
「お米が高くて買えず、まもなく底をつく。子どもたちにご飯を食べさせられなくなる」(児童養護施設で働く女性・43)
「フランスでもトマトを道路にぶちまけて通れなくし、農家は怒りの声を上げている。日本は戦争をしたがっているようにみえるが、高額な武器を買わずとも兵糧攻めすればいいと世界は見るだろう」(日仏を行き来している女性・70)
 この記事の最後には、デスクメモとして、「生産コストが上がっているとわかっていても、農産物の価格転嫁は苦しい。1日には凶作や有事で食料危機に陥った際に政府が農家などに増産計画を求める『食料供給困難事態対策法』が施行された。農家の窮状にそっぽを向きながら、何かあったらよろしくというなら虫が良すぎる」と記されている。
 政府だけでなく、消費者にも腑に落としていただきたいメモである。そうでなければ、農家の腹の虫が治まらない。

コメ政策を抜本的に見直せ

 「国内で唯一、自給可能なコメは食料安全保障の要だ。国には、深刻な不作や国際情勢の不安定化に伴う食料危機などの緊急時に安定供給する責任がある」で始まるのは福島民友新聞(3月29日付)の社説。
 「年間約700万トンの需要に対し、猛暑などの影響で30万トンほどの供給不足が生じただけで、急激な米価高騰を招くほど生産量自体が少なくなっている。一方で、肥料や農薬などの生産コスト上昇に悩まされる農家にとっては、ようやく経営が維持できる価格水準になったと指摘されている」ことを示し、「従来の政策の延長線上では、農家と消費者の双方にとって適正な価格の形成は難しく、コメ離れの加速による生産基盤の弱体化が進むだけだ。農水省は、食料安保の観点から、コメ政策を抜本的に見直す時期に来ている」と鋭く迫っている。
 食料・農業・農村基本計画改定案において、不測の事態が生じた際には国内向けに回すという前提で、コメの輸出拡大が盛り込まれている(30年度の目標値は、24年度実績の7倍超となる35万トンに設定)。
 「改定案にもコメを安定供給できるよう、総合的な備蓄の構築に向けての検討が明記」されていることから、「輸出目標の35万トンは24年産米の生産量の5%に過ぎない。緊急時にどれだけの量を国内に振り向けられるのか不透明であることを踏まえれば、現在100万トンとしている備蓄米の増量が必要」とする。
 最後に、「備蓄米が需給の調整弁に利用され、緊急時に活用できなければ本末転倒だ。農水省には、強固な備蓄体制の構築に向け、生産基盤を強化することが求められる」と、正鵠を射る。

今が正念場!

 デモ終了後の「寄り合い」(今後の活動方針などを語り合った場)で、実行委員会の中心メンバーだった山田正彦元農林水産相が、一揆の意義を総括するとともに、今後も組織的、継続的に活動していくことを提起し、全員で合意した。
 今回参加して、唯一ショックだったことは、JAおよびJAグループの関わりが感じられなかったことである。
 冒頭で紹介したコールの最後は、「今動かなくちゃ/農業守れない/みんな立ち上がれ/今が正念場」。
 この国の農業者のほとんどを組合員とするJAおよびJAグループよ、このコールをどう聞く!
 動けない、守れない、立ち上がれない、名ばかり農業協同組合の「今が正念場!」

 「地方の眼力」なめんなよ

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