シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項についてして持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのか思案を巡らせている。実際の具体的な内容については先日(4月11日)に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」をもとに詳細を検討することになるが、改正法全体の理解を深めた上で、基本計画の内容を検討したいと思うので、もうしばし条文の内容把握に努めたい。今回は第十九条と第二十条だ。
第十九条は新法で新設された条文で、食料の円滑な入手の確保がテーマになっている。その内容は、「国は、地方公共団体、食品産業の事業者その他の関係者と連携し、地理的な制約、経済的な状況その他の要因にかかわらず食料の円滑な入手が可能となるよう、食料の輸送手段の確保の促進、食料の寄附が円滑に行われるための環境整備その他必要な施策を講じるものとする。」となっている。
第二十条は、旧法の第十七条が修文されたもので、食品産業の健全な発展がテーマになっている。その内容は、「国は、食品産業が食料の供給において果たす役割の重要性に鑑み、その健全な発展を図るため、環境への負荷の低減及び資源の有効利用の確保その他の食料の持続的な供給に資する事業活動の促進、事業基盤の強化、円滑な事業承継の促進、農業との連携の推進、流通の合理化、先端的な技術を活用した食品産業及びその関連産業に関する新たな事業の創出の促進、海外における事業の展開の促進その他必要な施策を講ずるものとする。」となっている。
これは、旧法の十七条では「事業活動に伴う環境への負荷の低減及び資源の有効利用の確保に配慮」することが重要視されていたのだが、これに"食料の持続的な供給に資する事業活動の促進"や"円滑な事業承継の促進"、"先端的な技術を活用した食品産業及びその関連産業に関する新たな事業の創出の促進"、"海外における事業の展開の促進"が追加されている。
つまり、これらの条文は、「食料の円滑な入手に際しては食品産業の健全な発展が不可欠であり、そのことを実現するための国にはこんな責務がある」といっているのではなかろうか。ここでも海外に目が向いているようだが、基本計画にどのような内容が盛り込まれるのか注視したい。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日
-
森林価値の最大化に貢献 ISFCに加盟 日本製紙2025年4月18日