【訃報】政治評論家の森田実さん死去 「今は戦前に似ている」日本の行く末憂い最後まで現役貫く2023年2月9日
半世紀以上にわたって政治の動きを第一線で追い続けた政治評論家で東日本国際大学名誉学長の森田実さんが2月7日、悪性リンパ腫のため死去した。90歳だった。長年にわたってテレビ番組などで活躍し、JAcomでも政治評論に関するコラムを執筆、昨年4月からは新連載「森田実と語る!どうするのか この国のかたち」で、与野党を問わず政治のキーマンへのインタビューを重ねていた。戦争を知る世代として「今の世の中は戦前に似ている」と日本の先行きを憂い、今後の取材にも意欲を示していた。
インタビューに臨む森田実さん(昨年12月16日)
森田実さんは静岡県伊東市出身。1941年の日米開戦時など戦時中の情景を鮮明に記憶し、一家の大黒柱的な存在だった長兄が戦死して、身をもって戦争の悲惨さを体験した。以来、「戦争と平和」を人生を通じての最大の研究テーマとして取り組み続けた。
東京大学工学部に進み、全日本学生自治会総連合で幹部として「砂川闘争」など反戦運動に取り組んだ。卒業後、日本評論社出版部長、「経済セミナー」編集長などを経て、1973年、政治評論家として独立、長年にわたってテレビやラジオ、著述など多方面で活躍した。
著書に「森田実の言わねばならぬ 名言123選」「森田実の永田町政治に喝!」「中国古典 再学習のすゝめ」などがある。
JAcomでも、数多くの寄稿に加えて2014年からコラム「森田実の政治評論」を執筆し、政治課題に厳しく切り込んだ。90歳を迎えた昨年には、仕事を整理する中で、新連載企画「森田実と語る!どうするのか この国のかたち」をスタートさせた。自民党の二階俊博元幹事長や石破茂元幹事長、立憲民主党の泉健太代表、国民民主党の玉木雄一郎代表など与野党を問わず、インタビューを重ね、政治信条や政治課題への思いなどを引き出した。
昨年12月16日、城内実衆議院議員へのインタビューがこのシリーズで最後の取材となった。インタビューを終えたあと、当日の体調が思わしくなかったが、長年にわたる絆からキャンセルできなかったと語り、義理堅い人柄を忍ばせた。実は、この日、高齢で身体が一回り小さくなった森田さんは、新調したスーツで取材に臨んでいた。今後は政界にとどまらず、経済界のキーマンなども取材したいと具体的な候補者名も挙げてなお現役として取材への意欲を示していた。
取材などの中で、日本の防衛費増額などをめぐる政府や世論の流れが「戦前の動きと似ている」と語っていた。特に米中対立の中で日本が米側に立って中国と対立する方向で軍事力を強化する方向は危険だと批判。今年1月のJAcomの年始特集「農業復興元年」でも、みずから執筆を提案し、「軍事力を強化する安全保障を最優先させることは、日本を滅ぼす道であることを自覚すべきである。強大な軍事大国の中国、ロシア、北朝鮮に対し、武力で対抗することなど、できることではない。日本を守る道は平和外交しかないことに気付かなければならない」と警鐘を鳴らしていた。
さらに東日本大震災からの復興にも心を寄せていた。昨年6月には東日本国際大学の名誉学長に就任、不定期ながら大学のある福島県いわき市に通って講義を行っていた。中国古典に造詣が深い森田さんは、「論語」や人間力の育成などについて学生や高校生などに教えていたという。
森田実さんの葬儀は2月15日午前10時から東京都品川区西五反田の桐ケ谷斎場で行われ、後日、福島県いわき市内でお別れ会を開く予定。(山田博史)
【農業復興元年】軍事最優先の安全保障はナンセンス 農業中心社会への大転換着手を 政治評論家 森田実氏
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