食と地域のくらしに貢献 農林中金中期計画2013年4月8日
農林中央金庫は「新たなステージへの挑戦」を掲げた25年度から3年間の中期経営計画を3月に策定した。「農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク」の実現が目標だ。
◆復興支援に継続的な取り組み
農林中央金庫は平成20年秋のリーマンショックによる金融市場の混乱で会員から大規模な増資を受け、その後、経営安定化計画(21・22年度)と中期経営計画(23・24年度)に取り組んできた。
これを受けた新中期経営計画は、地方経済の疲弊、組合員の高齢化などによる組織基盤の変容など構造問題に加え、金融規制強化の動きなど、将来の系統信用事業のあり方に大きな影響を与える課題が山積しているとの厳しい認識のもと、「新たなステージへの挑戦」を掲げた。
基本コンセプトは[1]農林水産業と食と地域のくらしに貢献する新たな取り組みへ挑戦[2]将来の農林中金・系統の競争力向上につながる収益力・組織力の強化の2つ。
[1]の具体的取り組み事項としては、まず「農林水産業を軸にした被災地復興への継続的取り組み」を掲げた。被災地を支援するため全中・全農・全漁連・全森連や被災地の行政などと連携し「復興支援プログラム」の着実な実践を継続する。同プログラムの実践は非金融支援も含めて多面的に取り組む。
農林水産業の担い手への対応力も柱で、JAや信連とともに、とくに経営規模の拡大を図る農業者を中心に、金融ツールの拡充を図るほか、経営相談機能などの充実も図る。
そのほか、JA、JFグループや農林水産業者による6次産業化や輸出など収益力強化に向けた取り組みをサポートするため、ビジネスマッチングなど非金融面での提案力の強化や、再生可能エネルギーをはじめとする地域活性化の取り組みにもJAバンクグループとして機能を発揮する。 また、系統信用事業の強化・拡大に向け、利用者視点のサービス提供が徹底される事業運営態勢や、系統組織の総合事業体としての強みを発揮するため、他の全国連との連携強化の検討や、組合員の高齢化などをふまえて地域金融機関としての将来的なあり方も検討することにしている。
◆35年度の100周年に向け
こうした事項の実践を担保するための取り組みが、[2]の「将来につながる収益力・組織力の強化」で▽新たな投資機会の追求▽提案力の発揮による法人向け貸し出し残高の増加▽金庫・系統全体を視野に入れた将来を担う「人財」形成への戦略的な取り組み、などを掲げている。
なお、新中期経営計画では25年度から3年間の経常利益目標水準は「1000億円前後」とした。前中期計画では500?1000億円としていたが目標水準を上げた。
農林中央金庫は平成35年に100周年を迎える。100周年に向けた将来像を「農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク」といる。今回の中期経営計画はこの「めざす姿」を決定づける期間と位置づけている。
(関連記事)
・「挑戦意欲あふれる人材を」 農林中金が入庫式(2013.04.02)
・JA貯金、残高90兆3000億円 農林中金(2013.04.01)
・農業金融プランナー新た942人 農林中金(2013.03.21)
・岩手県漁協にダンボールケース贈呈 農林中金(2013.03.18)
・現場に出向き金融事業強化を 第8回JAバンク担い手金融リーダー全国大会(2013.02.18)
重要な記事
最新の記事
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(2)今後を見据えた農協の取り組み 営農黒字化シフトへ2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(3)水田に土砂、生活困惑2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(4)自給運動は農協運動2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(1)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(2)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(3)2025年1月23日
-
元気な地域をみんなの力で 第70回JA全国女性大会2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(1)新しい仲間との出会い 次世代へつなげるバトン 青森県 JA八戸女性部 坂本順子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(2)この地域を、次世代に繋ぐ、私たち 山梨県 JA南アルプス市女性部 保坂美紀子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(3)私たちの力で地域をささえ愛 愛知県 JA愛知東女性部 小山彩さん2025年1月23日
-
旧正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第325回2025年1月23日
-
地元産米を毎月お届け 「お米サポート」スタート JAいずみの2025年1月23日
-
定着するか賃金引上げ 2025春闘スタート 鍵は価格転嫁2025年1月23日
-
鳥インフル 米アイオワ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
鳥インフル 英シュロップシャー州、クルイド州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
スーパー売り上げ、過去最高 野菜・米の価格影響 「米不足再来」への懸念も2025年1月23日
-
福島県産「あんぽ柿」都内レストランでオリジナルメニュー 24日から提供 JA全農福島2025年1月23日
-
主要病虫害に強い緑茶用新品種「かなえまる」標準作業手順書を公開 農研機構2025年1月23日
-
次世代シーケンサー用いた外来DNA検出法解析ツール「GenEditScan」公開 農研機構2025年1月23日
-
りんご栽培と農業の未来を考える「2025いいづなリンゴフォーラム」開催 長野県飯綱町2025年1月23日